研究課題/領域番号 |
01630503
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小間 篤 東京大学, 理学部, 教授 (00010950)
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研究分担者 |
斉木 幸一朗 東京大学, 理学部, 講師 (70143394)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 人工一次元準結晶 / 硫化物処理 / 雲母劈開面 / ファンデルワ-ルスエピタキシ- / アルカリハライド |
研究概要 |
膜厚をフィルボナッチ数列に従って変化させ、一次元の準結晶構造を作成するためには、原子層レベルで平担で充分な強度を持った基板物質の深索が不可欠である。本年度は一次元準結晶構造の構成物質と考えている層状構造遷移金属ダイカルコゲナイド(MX_2)のエピタキシャル成長に適切な基板の探索に重点を置いた。白雲母(muscovite)は天然に産出する鉱物で、表面の平担さおよび物理的な安定性は充分である。また層状構造であるため劈開面上にはダングリングボンドは現れず、同様な層状構造のMX_2のエピタキシャル基板として適していると考えられる。雲母劈開面を基板としてその上にMX_2の成長をおこなうと、成長層の厚さが5〜6層までは層状成長が確認され、RHEEDで観測した成長膜の結晶性も良好であった。しかし、膜厚がそれ以上の領域では、面内に30度回転した領域が現れ結晶性が低下することが明らかになった。次に、硫化物処理し表面を不活性化したGaAs基板上への成長を試みた。その結果、膜厚が10nm程度まで結晶性の良いMX_2膜がエピタキシャル成長することが確認できた。本年度の経費で購入した高圧電源および直流安定化電源を用い、複数の電子衝撃型蒸発源から高融点金属NbおよびMoを蒸発させ、異種のMX_2から成る積層構造(NbSe2/MoSe2/NbSe2)を硫化物処理したGaAs基板上に作成することにも成功し、MX_2を構成物質とした1次元準結晶構造の作成への道が拓かれた。一方、3次元結晶構造ではあるが、表面が不活性なアルカリハライドを構成物質とする1次元準結晶構造の作成を開始し、エピタキシャル条件などの基礎的なデ-タの集積をおこなった。
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