研究課題/領域番号 |
01630507
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
川村 春樹 姫路工業大学, 工学基礎研究所, 教授 (00192005)
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研究分担者 |
赤浜 裕一 姫路工業大学, 工学基礎研究所, 助手 (90202522)
小林 本忠 姫路工業大学, 工学基礎研究所, 助教授 (90195818)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 準結晶 / X線回折 / 構造相変態 / 超高圧 / アモルファス化 |
研究概要 |
準結晶の安定性に関し弾性的性質と高圧下の相転移について調べた。 1.安定相準結晶であるTC型I相のAl-Li-Cu系と準安定相準結晶のMI型I相のAl-Fe系について高圧下の相転移を調べた。Al-Fe系は等方的に圧縮され、相転移は見られなかった。Al-Li-Cu系では圧力の増加と共に、準結晶相→アモルファス相→長距離秩序相(高圧相)へと転移する圧力誘起構造変態を見い出した。この一連の相変態は準結晶でははじめて見い出されたものである。この準結晶相からアモルファス相への転移はSiO_2やSnI_4などを見い出されている結晶相の圧力誘起アモルファス化との類推から、基本となるクラスタ-構造を保持しながら準結晶相特有の長距離秩序が失われてアモルファス化するものと理解される。また、この相転移に伴い電気抵抗も著しく変化し、準結晶相の大きな比抵抗をもつ負の温度係数からアモルファス相の小さな比抵抗をもつ正の温度係数へと電気的性質の変化が見られた。今後、高圧相の構造決定及び相変態の詳細を明らかにし、準結晶の構造安定性など物性の理解を深めることをめざす。 2.上記二つの系の準結晶相はいずれも高圧下で等方的に圧縮された。体積弾性率(B_0)は、Al-Fe系ではB_0〜190GPa、Al-Li-Cu系ではB_0〜70GPaと大きな差違が見い出された。いずれの系もAlを主成分とするため、構成原子のみからではこの差違は説明できず、クラスタ-の内部構造の違いが反映しているものと考えられ、準結晶の内部構造による系統的なデ-タ集積が必要である。
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