研究課題/領域番号 |
01631006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西田 信彦 東京工業大学, 理学部, 助教授 (50126140)
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研究分担者 |
大熊 哲 東京工業大学, 理学部, 助手 (50194105)
永嶺 謙忠 東京大学, 理学部, 教授 (50010947)
山崎 敏光 東京大学, 原子核研究所, 所長 (80011500)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / μSR法 / 反強磁性 / 磁気相図 / 常磁性シフト |
研究概要 |
酸化物超伝導体の磁気的性質をμ^±SR法によって研究した。実験は高エネルギー物理学研究所内の中間子実験施設(KEK-BOOM)とカナダのメソンファクトリーTRIUMF研究所で行なわれた。後者はTRIUMFのμSRグループとの国際共同研究である。μ^+粒子を用いては主に、キャリアー濃度を変えたときの酸化物超伝導体系の磁気相図の作製を行った。μ^-粒子を用いては、酸化物超伝導体を含む3d遷移金属酸化物の酸素位置の常磁性シフトを測定し、酸素位置の電子状態を微視的に研究した。以下に主な成果をまとめておく。 1.μ^-SR法で、La_2CuO_4、La_<2-x>Sr_xCuO_<4-δ>、YBa_2Cu_3O_7、LiTi_2O_4、Nd_<2-x>Ce_xCuO_<4-δ>、CuOの酸素位置でのμ^-の常磁性シフトを測定した。銅酸化物については、絶縁体:超伝導体を問わず+0.1%のオーダーのシフトが観測されたが、LiTi_2O_4のシフトはそれよる一桁以上も小さかった。3d遷移金属酸化物において、周期律表前半のものと後半のものとで酸素電子のエネルギー位置が異なることを反映していると考えられる。YBa_2Cu_3O_7ではμ^-のT_1は極端に短かった。詳細な検討が進行中である。 2.μ^+SR法で、新しく発見された酸化物超伝導体Eu_6Ba_4Ce_2Cu_9Oy系の反強磁性相の発見と磁気相図の作製。 3.YBa_2Cu_3O_x中のμ^+の位置を決定し、YBa_2Cu_3O_7超伝導状態中には電子に起因する静磁場は存在しないことを示した。高温超伝導を説明する理論にある種の制限を与えると考えられる。 4.Bi_2Sr_<2-x>La_xCuO_y系とBi_2Sr_2Y_<1-x>Ca_xCuO_y系の磁気相図をμ^+SR法で作製。CuO_2層の枚数と3次元磁気秩序温度との相関を調べた。相関はないようであった。
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