研究課題/領域番号 |
01631507
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤森 淳 東京大学, 理学部, 助教授 (10209108)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1989年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 光電子分光 / 逆光電子分光 / 不純物準位 / 電子相関 |
研究概要 |
高温超伝導の機構解明に重要な電子状態に関する情報を得るために、酸化物超伝導体及び関連化合物を光電子分光法・逆光電子分光法を用いて調べた。光電子分光実験は、実験宝系光源とシンクロトロン放射光を併用しておこなった。 1.Bi系超伝導体のフェルミ準位近傍の電子状態の起源を、Co置換した酸化物との比較などから明らかにした。すなわち、従来可能性として考えられていたBiO面のフェルミ準位近傍への寄与が否定され、CuO_2面にホ-ルがはいることが確かめられた。 2.最近発見された電子注入型のNd系超伝導体において、ド-プされた電子のはいる軌道がCuのd軌道でないことが示された。この結果はその後の研究でも支持され、理論研究にも重要な意義をもつ。 3.典型的なホ-ル注入型のLa系超伝導体についても光電子分光実験をおこない、Nd系と比較した。その住果、ド-ピンクによってバンドギャップ中に状態ができ、これにフェルミ準位が位置することが示された。このギャップ中の状態が超伝導を担うと考えられるが、その起源が不純物準位なのか多体効果によるものかはまだ明らかでない。 4.La系超伝導体と同じ結晶構造をもつ、La_<2-x>Sr_xNiO_4を光電子分光及び逆光電子分光を用いて調べた。ド-ピングによって、酸素のpバンドからギャップ中に分離しホ-ルを収容する状態が観測された。La系超伝導体で同じ状況が実現しているかを調べることがこれからの課題である。 5.逆光電子分光装置(超高真空排気系・電子銃)の製作をおこなった。平成2年度にはモノクロメ-タ・検出系部分を製作し、装置を完成させ、超導体のホ-ル状態を直接観測する予定である。
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