研究課題/領域番号 |
01631508
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
十倉 好紀 東京大学, 理学部, 助教授 (30143382)
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研究分担者 |
腰原 伸也 東京大学, 理学部, 助手 (10192056)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1989年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 銅酸化物 / Cu-Oネットワ-ク / 頂点酸素構造 / 電荷移動励起 / 2マグノン励起 / スピン交換相互作用 / 銅-酸素間距離 / トランスファ-エネルギ- |
研究概要 |
銅酸化物系での高温超伝導の発現には、化学的にホ-ルがド-プされたCuO_2層の存在が不可欠である。本研究の目的は、CuO_2単層を持ちかつそのCu-Oネットワ-クの形状(正方形、ピラミッド、八面体等)が異なる種々の銅酸化物を合成し、これら高超伝導関連物質(半導体及び金属)の電子物性とその構造敏感性について、定量的知見を得ることにある。今年度は、頂点酸素構造の異なる単層CuO_2面を有する5種の銅酸化物単結晶、La_2CuO_4(T構造)、LGdCuO_4(T^*)、Nd_2CuO_4(T)、(Ca,Sr)CuO_2、Sr_2CuO_2Cl_2について近紫外-可視-赤外域での吸収スペクトル(反射スペクトルよりK-K変換によって求めたもの)及び200-700cm^<-1>の広い波数域でのラマン散乱を測定した。いずれの物質においても、1.5-2eV付近の酸素-銅間の電荷移動(CT)励起に起因する強い吸収バンドと、3000cm^<-1>付近にピ-クを持つ2マグノン励起に起因するスペクトル幅の広いB_1の対称性を持つラマンバンドが測定された。吸収スペクトルの形状、位置、強度は、頂点酸素の構造によってかなり異なっている。特に吸収極大位置から決めたCTギャップは酸素6配位(T相)で2.0eV、5配位(T相)で1.8eV、4配位(T相(Ca,Sr)CuO_2)で1.5eVと系統的に変化している。一方2マグノン励起によるラマン散乱のピ-ク位置は単層CuO_2面を有する全ての銅酸化物で2800-3200cm^<-1>の波数域に位置しており、スピン交換相互作用の変化は意外に小さい。ラマン散乱と吸収スペクトルの挙動の相違については、各物質における銅ー酸素間距離の違いによるトランスファ-エネルギ-の変化と電荷移動ギャップの変化を考慮することによって説明することが出来る。
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