研究課題/領域番号 |
01631514
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大林 康二 広島大学, 総合科学部, 教授 (20013518)
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研究分担者 |
宇田川 真行 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70144889)
小島 健一 広島大学, 総合科学部, 助手 (00100975)
檜原 忠幹 広島大学, 総合科学部, 教授 (30004279)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 格子振動 / 電子・格子相互作用 / 赤外異常 |
研究概要 |
高温超伝導体の発現機構に関連して、以下に箇条書で述べるように、我々は電子・格子相互作用の重要性を直接的に示す実験結果を多くの酸化物高温超伝導体でえた。(1)格子振動は、赤外吸収によって研究しうる。酸化物高温超伝導体である(La_<1-x>M_x)_2CuO_4系(M=Ca,Sr,Ba)では、エネルギ-領域250-800cm^<-1>の間に、3つの赤外吸収ピ-クが観測される。この3つのピ-クのうち、680cm^<-1>付近のピ-クの吸収強度は、Mの濃度Xの増加と共に急激に減少し、X>0.06では完全に消失するという赤外異常を見い出した。この赤外異常がおこると超伝導が発現するという超伝導と赤外異常の相関を身いだした。これは、電子・格子相互作用の直接的証拠である。(2)La_2CuO_4を基にしてえられる酸化物高温超伝導体では、Laを2価のイオンによって置換するばかりでなく、Cuを他の遷移金属によって置換することによっても制御できる。そこで、CuをNiやZnで置換して超伝導性を弱め破壊したところ、超伝導体では消えていた680cm^<-1>のピ-クが、超伝導の破れとともに再び表れてきた。このように、La系超伝導体でCu置換によっても、赤外異常と超伝導の相関を検証した。(3)次に、より転移温度の高い酸化物高温超伝導体YBa_2Cu_3O_<7-δ>をべ-スにした系を研究し、超伝導性を焼成温度の変化と、CuをCoやNiやZnで置換することによってコントロ-ルし、この系でも、約580cm^<-1>付近のモ-ドが赤外異常を起こし超伝導の出現と相関することを検証した。(4)赤外異常は、局所的遍歴性をもったキャリア-の存在によってのみ説明できるが、キャリア-のこの性質は、t-Jモデルとつじつまがあっていることを論じた。
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