研究課題/領域番号 |
01631517
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道東海大学 |
研究代表者 |
四方 周輔 北海道東海大学, 教育開発研究センター, 教授 (30056311)
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研究分担者 |
達崎 達 北海道東海大学, 工学部, 教授 (50001673)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高温超伝導 / 超伝導転移温度 / 圧力効果 / 酸化物 / ホ-ル係数 |
研究概要 |
La-Sr-Cu-O、Y-Ba-Cu-O系では金属領域でキャリア-濃度とT_cとの間に強い相関のあることが常圧下の実験で見いだされている。しかしながら、我々はLa-Sr-Cu-O系について1.5GPaまでの高圧下で多結晶試料のホ-ル係数の実験を行った所、T_cが圧力で上昇するのに比べて、ホ-ル係数つまりキヤリヤ-濃度はほとんど変化しないことが明らかになった。これはY-Ba-Cu-O系で報告された結果と同様であり、非常に興味深い。 一方、最近発見された電子系のNd-Ce-Cu-O系について超伝導転移温度T_cの圧力効果を測定したが、T_cの圧力効果はほとんどないことがわかった。比較のために、類似の構造とT_cをもつNd-Ce-Cu-O系で実験を行ったところ、圧力効果は大きい事が分かった。こちらの系はホ-ルをキャリヤ-に持つが、従来他のホ-ル系では圧力効果が一般に大きかった事を考えると、電子系出は著しい相違がある事になる。この点について、dlnT_c/dpをT_cそのものの関数としてプロットして見ると、ホ-ル系ではT_cの小さいものほど圧力効果が大きいという関係が一般的にある事を見いだした。ところが電子系ではこの相関のある領域から全く離れたところに位置する。 この結果を、結晶構造の系統性と比較してみると、CuとO原子でピラミッド型の構造をとるものがホ-ル系であり、圧力効果が大きい、YBa_2Cu_4O_8での中性子回折実験で頂点酸素のみが異常に圧力に対して変化する。という実験結果を考えると、頂点酸素の役割が圧力効果に対して非常に大きいと考えられる。これらの系に対するマ-デルングエネルギ-の計算と比較すると、頂点酸素によって橋渡しされるチェインから平面への電荷移動が圧力によって誘起されるものとの推論が成り立つ、このことを確かめるためには、高圧下の単結晶のホ-ル効果の測定が必要であろう。
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