研究課題/領域番号 |
01632506
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
蟻川 達男 東京農工大学, 工学部, 教授 (90011543)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | パ-フェクトロン / レ-ザ-化学 / 有機金属化合物 / 多光子電離 / 偏光実験 / 励起状態の寿命 / 異方性因子 / 超励起状態 |
研究概要 |
親分子のイオン化エネルギ-より高いエネルギ-状態を超励起状態という。有機金属化合物の超励起状態は極めて反応性に富み、基礎・応用の両面から重要である。特に超励起状態にある有機金属化合物が固体表面で起す反応素過程は実用面で重要である。しかし超励起状態は極めて短寿命なことと複雑な分解過程を示すので、多くの反応チャンネルの中から特定のチャンネルだけを選択することはむずかしい。本研究では申請者が新らたに開発した分子線散乱装置パ-フェクトロンを用い、超励起状態を経由して分解する実験条件の同定を試みた。実験はMR_n-型(n=2〜4)の有機金属化合物について行い、以下の二つの観点から超励起状態の光分解ダイナミックスについて新しい知見を得た。(1)分解経路の分類:可視・紫外レ-ザ-波長減において超励起状態からの分解過程を調べ、親分子イオンができてから分解の進むA過程、中性フラグメントができてから分解の進むA過程、多光子励起で一気に超励起状態に進み、そこから爆発的にフラグメンテ-ションの起るC過程の三経路を確認した。特にMR_4-型では鋭い各種のラジカルイオンのスペクトルが顕著に観察され、C過程で生成されたものと思われてきたが、実はB過程で生じた中心金属イオンとビブロニック励起されたラジカルとの準共鳴電荷交換反応の結果生じたものであることが新しくわかった。(2)分裂モ-ドの分類:D_<h∞>対称性をもつMR_2-の分解フラグメントの異方性因子測定より、2体分裂と3体分裂を起す実験条件を掌握した。また、C_<3v>-対称性のMR_3-型では分裂モ-ドと分解ポテンシャル曲面に関する新しい知見が得られた。T_d-対称性のMR_4-型については中心金属イオンとラジカルイオンの信号との逆同時計測より超励起状態を経由すると思われる信号が検出され、励起状態、特に超励起状態にある分子あるいはラジカル分子が固体表面で起す特異性を調べる足がかりを得ることができた。
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