研究課題/領域番号 |
01632508
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
清水 勇 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40016522)
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研究分担者 |
白井 肇 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (30206271)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1989年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 電子サイクロトロン共鳴プラズマ / アモルファス・シリコン / 微結晶シリコン / 半導体薄膜 |
研究概要 |
電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR)を用い、10^<-3>〜10^<-4>torrの低圧プラズマで、SiH_4,SiF_4を分解し、Si系薄膜の作製を行った。低圧プラズマの特徴である高エネルギ-、高濃度電子プラズマによる分解により、100%分解条件を形成でき、100Å/秒以上の高速度でSi膜の形成が可能であることを確かめた。しかし、得られた膜の構造は、作製条件により、アモルファス(a-Si:H)から微結晶(μc-Si:H)と大きく変化し、気相での分解反応に続き、基板上でのSi網目形成反応の制御によって、その構造、延いてはその電気・光学的性質が決定されることを実験的に確証した。 すなわち、SiF_4を原料とする場合、H2プラズマにより、気相中で100%分解が進行し、Si膜形成に有効な前駆体、SiHnFm(n+m≦3)が形成される。気相中での分子衝突の少ない低圧条件では十分な水素量(流量比SiF_4/H_2=30/3)で25Å/s程度の高速度で比較的高品質なa-Si:H膜の成膜ができた。この際、得られた膜中には20at%以上の水素を含有し、光学ギャップも〜2.0eVと高品質膜のそれ(〜1.7eV)に比較し広く、その改善のために、パルス導入法が考案された。数秒間の堆積/原子状水素による「化学アニ-ル」の繰返しにより、Si網目構造が緻密になることを見い出したが、過剰なアニ-ルにより、結晶化しμc-Si:Hが形成する。この原因は基板上でのHとFとの強い相互作用による水素脱離反応の促進になることをつきとめた。そこで、より分解の容易なSiH_4を原料とし、SiF_4をパルス状に導入する方法で、堆積先度50Å/s以上で、光学ギャップ1.7eV高品質a-Si:H膜を得ることに成功した。
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