研究課題/領域番号 |
01632524
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中山 喜万 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (20128771)
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研究分担者 |
脇田 和樹 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80201151)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 反応性プラズマ / 過渡状態 / シラン / 発光分光分析 / 質量分析 / シ-ス / プラズマCVD / 非晶質半導体 |
研究概要 |
本研究は、SiH_4をはじめとする薄膜形成用ガスを用いた反応性プラズマの初期過渡状態について、系統的にプラズマ生成条件との因果関係を把握し、プラズマの成長機構の解明と制御法の確立を図ることを目的とする。本年度は、昨年度見いだしたSiH_4の初期プラズマにおけるイオン検出電流の不自然な振舞の要因を究明すると共に、当該者考案の高周波と低周波を重畳した電源の新規開発により、イオン運動の促進効果によるプラズマの制御性を明らかにすることを計画し、下記の成果を得た。 1.質量分析による初期過渡状態におけるイオンの検出 (1)SiH_4プラズマで見られた質量分析計によるH_n^+やSi_mH_n^+のイオン電流の時定数の長い初期変化は、NH_3プラズマのNH_4^+電流でも観測されるが、HeやArの場合、He^+やAr^+電流はステップ応答する。ただし、HeにSiH_4を10%添加するとHe^+電流は秒オ-ダの遅れを示す。これから、イオン電流の過渡状態は、解離性ガス特有の現象であると結論した。 (2)イオン電流遅れの要因と考えられるイオン抽出口と抽出管内壁の電位の揺らぎ、並びにイオン抽出自体による影響について、検討を深め、これらが本質でないことを明らかにした。つまり、イオン電流の初期変化は、プラズマバルクの過渡状態でなく、壁近傍におけるシ-ス形成の反応性プラズマ特有の過渡状態を示していることが明らかとなった。 2.低周波重畳高周波電源の開発とプラズマ内部パラメ-タの制御 (1)低周波(10K〜300KHz)と高周波(13.56MHz)を重畳した電源を開発した。 (2)SiH_4-H_2の定常プラズマについて、高品質非晶質Si製作の指標となるSiH/H発光強度比が、低周波(250KHz)電力の増加によって電極間中央から膜堆積場の陽極にかけて大きくなる結果を得た。これは低周波によるイオン加熱効果の現れで、プラズマ制御という点で本方式の有用性が明白になった。更にデ-タの蓄積を図り、初期過渡状態への適用を図る。
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