研究課題/領域番号 |
01633005
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田中 穂積 東京工業大学, 工学部・情報工学科, 教授 (80163567)
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研究分担者 |
岡田 直之 九州工業大学, 情報工学部・知能情報工学科, 教授 (80037837)
佐藤 雅彦 東北大学, 工学部・情報科学科, 教授 (20027387)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
1989年度: 13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
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キーワード | 意味論 / 知識表現 / 比喩 / 自然言語 |
研究概要 |
研究成果を以下に3つの分担課題に分けて説明する。 (1)意味情報の構造モデルと表現(分担者:田中穂積) 高次コミュニケーションのための有用な手段である比喩理解のための意味情報の構造モデルを考察するために、本年度は、概念を、属性名と属性値集合の対の集合として表現し、属性値集合の情報量(エントロピー)と、兄弟概念との差異性から顕現性(ある概念を特徴づける性質)を定量的に計算する具体的な方法を提案し、それに基づく直喩理解のプロトタイプモデルを試作した。この様な計算を行うためには、従来考えられていた意味情報の構造モデルを、どの様に拡張すべきかが明らかになった。 (2)計算の意味論(分担者:佐藤雅彦) 前年度に提案した論理体系(Symbolic Set Theory:SST)は、一般的な再帰関数を定義可能なプログラム言語LAMBDAを包含し、LAMBDAのプログラムの性質についての推論を自然に行うことができる。また集合を表現するための豊富な言語を持つので、プログラムの仕様を表現することが容易である。さらに、実現可能性解釈によりSSTの証明からLAMBDAのプログラムを自動的に抽出することができる。これらの理論的成果、計算機上に実装したシステムにより確認すると共に、実際的なプログラム合成のための研究を行った。 (3)自然言語の意味論(分担者:岡田直之) 知的情報通信を行うためにはシステム側に「心のモデル)が必要である。本年度はイソップ物語の「きつねとぶどう」に含まれる知識、情緒、推論のメカニズムを考察し、特に問題解決過程で頻繁に現れる「移動」の推論について、経験に基づくエピソードモヂュールの導入により、効率的な推論が行われる見通しを得た。これらはハンドシミュレーションにより、その動作を確認している。 物語の生成については、主人公の認識、思考、行動過程に沿って、独白形式で物語の生成するアルゴリズムを考案した。
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