研究課題/領域番号 |
01633506
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石井 威望 東京大学, 工学部, 教授 (70010684)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ヒュ-マン・インタフェ-ス / 理解容易性 / インフォ-マル・コミュニケ-ション / メディア・フュ-ジョン / 視野の共有 / 情報の共有 / demand-activated |
研究概要 |
本研究の目的は、人間が対象物を理解する時に形成されるメンタル・モデル形成の過程を明らかにすることである。特に、対象物が未知である場合に、人間がどのように行動するかについて注目している。 人間の認知機能に関する基本的な研究として、昨年度までに、状態機械を理解する場合のメンタル・モデル形成について研究してきた。その結果得れた知見の一つは、人が特定の対象を理解する順序は、まず対象物のどこかの部分に特に注目し、次に各個人特有のメンタル・モデルを形成していく、ということである。そこで、このプロセスは、メンタル・モデルの形成に用いるメディアの種類と関連するのではないかという作業仮説のもとに、複数のメディアについて作業の挙動を比較観察した。 工学的分野での実際の応用を想定して、パソコンCAD、ワ-クステ-ション、NC工作機械、マシニンク・センタなどを用いた設計・加工システムを実際の対象例として採用した。これらの一連の実験を通じて、以下のことが明らかになった。(1)人が対象物に対して抱く不安感や安心感は、システムの客観的信頼性自身とは一致しない。(2)システムに対する作業者の信頼度(システムの信頼性に関するメンタル・モデル)は、作業能率や作業可能範囲に大きく影響する。(3)対象物が遠隔地にある場合は特に(1)・(2)の傾向が強い。 また、メンタル・モデル形成とメディアの利用方法・状況との関係について調べた。その結果、(1)視野共有カメラなどの装置を用いて伝える情報の質の向上に努めた。現在は、メンタル・モデルを形成し易い情報通信を必要に応じて確保できるようなフレンドリなシステムを構築中である。(2)製作したシステムを用いた比較実験によって、コ-ド化されていないインフォ-マルな情報の重要性が確認された。
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