研究課題/領域番号 |
01634008
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
糟谷 忠雄 東北大学, 理学部, 教授 (30004245)
|
研究分担者 |
酒井 治 東北大学, 理学部, 助教授 (60005957)
倉本 義夫 東北大学, 工学部, 助教授 (70111250)
興地 斐男 大阪大学, 工学部, 教授 (20029002)
近藤 淳 電子技術総合研究所, 研究室長
前川 禎通 名古屋大学, 工学部, 教授 (60005973)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | ヘビーフェルミオン / フェルミ面 / 光電子分光 / 繰込群 / 近藤状態 / バンド理論 / 強相関系理論 / ウラン化合物 |
研究概要 |
本理論班は他理論班である芳田班と密接に協力し乍ら、専ら実験グループと直接協力して行う理論研究を中心に今年度も以下に示す様な成果を収め、概ね初期の目標を達成した。 1.バンド理論は最も定量性の高い計算として諸理論の出発点となっている。我々はfー電子の様な最も複雑な系にも相対論的効果をきちんと含んだ対称性で分類されたバンド計算を自己無矛盾に遂行するプログラムの開発を目指して来たが、今年度に於て略完了し、現実に作動を始めている。これは特にフェルミ面の実験の解析に最も偉力を発揮するが、永年の懸案であったCeSn_3のフェルミ面の精密実験が極めて純良な単結晶の育成に成功した大貫により行われ、上記の方法による長谷川のバンド計算が極めて良い一致を示し、この問題に結着をつけた。これは世界的にも最も進んだものであり、今後更に大きな偉力を示すと思われる。 2.不純物近藤状態の理論は、静的熱力学量については厳密解が得られているが、より複雑な系及び動的物理量については近似解しかない状況である。酒井等はこの問題に対して繰込群の方法を拡張して厳密解を得るのに成功しSmやTmのより複雑な近藤系の静的及び動的物理量の厳密解を得るのに成功し、多くの重要な知見を得つつある。ウラン系は比較的弱い相関という意味で最も複雑な系であり、今後はウラン系への適用が大きなテーマになる。 3.その他従来の延長の仕事も著実に進歩している。特に酒井、竹茂の光電子分光等の内殻励起に伴うスクリーニング機構の研究は従来の解釈の変更を求める重要なものである。又同じ強相関系としての高温超伝導系との比較、類似性に伴った研究も多くなされている。尚、理論研究会は芳田班及び高温超伝導の理論班である福山班と合同で行われた。
|