研究課題/領域番号 |
01635504
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
広部 雅昭 東京大学, 薬学部, 教授 (20012594)
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研究分担者 |
樋口 恒彦 東京大学, 薬学部, 助手 (50173159)
太田 茂 東京大学, 薬学部, 助手 (60160503)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | チトクロ-ムP-450 / 軸配位子効果 / チトクロ-ムP-420 / 芳香環水酸化反応 / チオレ-ト配位ポルフィリン鉄錯体 / ラット肝ミクロソ-ム |
研究概要 |
チトクロ-ムP-450の構造的特性であるS基軸配位子の効果を、化学および生化学の両面から検討し、機能発現に及ぼす構造的要因を分子レベルで明らかにする目的で研究を行った。 1.種々のP-450モデル錯体とくに酸化反応に対して安定な立体的要件を備えた分子内チオレ-ト軸配位子を有するポルフィリン鉄錯体の合成に成功し、CO結合型錯体のスペクトル、ESRのg値から求めたRhombicity,EXAFS、によるFe-S結合距離の測定などから、極めて高いP-450との相同性を明らかにした。ついで反応活性種と考えられるパ-オキシ錯体のO-O結合の開裂反応に及ぼすS基軸配位子の効果を速度論的に解析した結果、数十〜数百倍の加速性が明らかになった。さらにホモリッティクな開裂が促進されることも証明された。 2.ラット肝ミクロソ-ムから調製したP-450および基質認識部位が保存され、チオレ-ト軸配位子のみ変性除去された精製P-420それぞれを用い、アミノピリン、アニソ-ルなどの基質代謝反応の比較を行うことにより、S基の意義について検討した。その結果、パ-オキシドを酸化剤として用いるShunt系において、P-450、P-420ともに脱メチル化反応は進行したが、芳香環水酸化反応はP-450のみ進行し、S基が不可欠な要素であることが明らかとなった。さらに精製P-420、NADPH-P450 reductaseを含む再構成系において、電子伝達、酸素化過程に及ぼすS基の効果を検討した結果、第2電子の伝達にS基の存在が必要であることが推定された。
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