研究課題/領域番号 |
01636510
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
竹下 正純 大分医科大学, 医学部, 教授 (50019551)
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研究分担者 |
吉田 敏 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50158440)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高血圧自然発症ラット / モノ不飽和脂肪酸 / 血管壁細胞 / パルミトレイン酸 / パルミトレイン酸-CoA / フ-リエ変換赤外分光 / 脂肪酸代謝 / 脂肪酸伸長 |
研究概要 |
不飽和脂肪酸の血管壁細胞に対する作用について、2つの方向すなわち、不飽和脂肪酸の血管に対する直接作用、および脂肪酸代謝調節の面から研究を行っており次の成果が得られた。 1.高血圧自然発症ラット(SHR)の頚動脈を無酸素培地中においた時、コントロ-ルラット(WKY)に比し内皮の構造が電子顕微鏡レベルで大きく乱れておの、これがパルミトレイン酸(16:1)の添加で正常に保たれる。また、フ-リエ変換赤外分光光度計(FT-IR)により、2mm四方に開いた頚動脈そのものを非侵襲的に測定できる方法を確立しその細胞膜の流動性についての情報から、SHRの方がWKYより柔らかい脂質相をもつことを明らかにした。 さらに無酸素状態あるいは有酸素状態における、SHRおよびWKY血管壁から遊離される脂肪酸を分析し、WKYにおいて有酸素状態では16:1が16:0と同程度に強く放出されるが、無酸素状態では16:1の放出が抑制される。またSHRでは有酸素状態でも、無酸素状態でも16:1の放出が抑制されていた。これらの結果は16:1の代謝回転が血管壁における異常発生の指標になりうる可能性を示唆する。 2.脂肪酸代謝については、ブタ大動脈壁細胞のミクロソ-ムによる脂肪酸伸長反応を液体クロマトグラフあるいは液体シンチレ-ションによって測定する方法を確立し、16:0-CoA伸長反応に対するモノ不飽和脂肪酸-CoAの作用を系統的に調べ、14:1-CoAから20:1-CoAに至るモノ不飽和脂肪酸では、鎖長が長くなるに従い強く飽和脂肪酸伸長反応を阻害するが16:1-CoAは特に強く阻害することが判明した。また、この阻害形式が非拮抗阻害であることから、16:1-CoAは飽和脂肪酸伸長反応の活性中心とは異なった部位または酵素を阻害し、伸長反応を抑制しているものと考えられる。
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