研究課題/領域番号 |
01637503
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
室田 誠逸 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50072989)
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研究分担者 |
森田 育男 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60100129)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | プロスタサイクリン / PGI_2 / 血管内皮細胞 / カリクレイン |
研究概要 |
カリクレインはセリンプロチア-ゼであり血清中のキニノ-ゲンを基質としてリジルブラディキニン、ブラディキニンを産生する酵素である。私達はカリクレインのウシ動脈由来内皮細胞におけるプロスタサイクリン(PGI_2)合成促進作用が、前述したキニンの生産を介さず、新規ペフチドを産生する可能性を見い出した。血管内皮細胞にカリクレインを長時間作用させるとそのPGI_2合成促進作用は少なくとも24時間は持続した。しかし反応途中で細胞層を洗うか、もしくはカリクレインの阻害剤を加えるとそのPGI_2合成促進効果が失われた。したがって、新規ペプチドはカリクレインにより常に産生されながらPGI_2合成促進作用を発揮していると考えられる。本度はこの新規ペプチドの構造決定を試みた。血清の硫安沈殿を行い、40〜50%飽和画分にカリクレインを加え37℃で1時間インキュベ-トした。反応液をセントリコン-10にかけて遠心分離し、低分子画分をさらにHPLCを用いて分画した。カリクレイン処理によって新たに出現した5つのピ-クについて、それぞれさらにHPLCを用いて精製した。それぞれはアミノ酸4〜7個から成るペプチドであった。それらの構造決定を行ったのち、新規にそれぞれのペプチドを化学合成し、その活性を調べたが、活性は保持されていなかった。おそらく硫安分画時にプロテア-ゼも濃縮され、一部消化されてしまったためと思われた。さらに工夫をこらし、精製を行っている段階である。血管内皮細胞においてカリクレインによるPGI_2合成の促進効果は、タンパク合成阻害剤では抑制されないがブランディキニンのそれは抑制されることから、本ペプチドとブランディキニンの作用機作は本質的に異なるものと思われる。
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