研究課題/領域番号 |
01637508
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藏本 敦 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (50034070)
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研究分担者 |
木村 昭郎 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (70127645)
今村 展隆 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 講師 (60110821)
藤村 欣吾 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (80034114)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 血小板膜糖蛋白GPV / ロイシンリッチリピ-ト / トロンビン / ベルナ-ドス-リエ症候群 / GPVの精製 / GPVのアミノ酸分析 / GPV関連抗原のELISA / 血栓症の予知 |
研究概要 |
血小板膜糖蛋白GPVは生理的凝固活性物質であるトロンビンによって水解される唯一の膜蛋白でMWは82KDaである。臨床的に血小板機能異常を示すBernard Soulier症候群においてGPIb-IX complexとともに欠如し、トロンビンによる血小板活性化機序への関与が推測されているが、GPVそのものの機能及び構造については明らかにされていない。本研究ではこの点を明らかにするために、本蛋白の糖製法を確立しアミノ酸配列決定し構造面から機能を推定することと、トロンビンによって水解され62〜69KDaの蛋白(GPV fl.)を遊離する点から血中GPV関連抗原を測定しトロンビンによる血小板活性化の指標、すなわち血栓症予知への応用が可能か否か検討した。 新鮮ヒト血小板より従来法に比し簡便かつ迅速にGPVを精製する方法を考察した。すなわち遊出GPVを硫安沈殿、Superose 12によるゲル濾過とモノQカラムやWGAアフィニティ-カラムによって最終的に10^<12>個の血小板より200μgのGPVを精製した。精製したGPVを蛋白分解酵素処理やcyanogen bromide処理後HPLCにて分画し14のペプタイドについて、アミノ酸分析を行なった。 その結果少なくとも7つのペプタイドはロイシンの繰り返し製造を有しており、本蛋白の特長的な構造と考えられた。このロイシンの繰り返し構造はGPIbやGPIXにも認められており、今回GPVにもこの構造が存在することをはじめて明らかにし、3つの蛋白の類似性を示唆した。 一方GPVに対する特異的な抗体を家兎に免疫して作成し、血中のGPV fl.を中心とするGPV関連抗原の測定をELISAにて確立した。血中GPN関連抗原は脳血栓症や深部静脈血栓症においては症状発現前より血中GPV関連抗原レベルが上昇しており、このことから早期にトロンビンによる血小板活性化状態を把握することができ、血栓症の予知に有用であると考えている。
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