研究課題/領域番号 |
01638002
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
御子柴 克彦 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (30051840)
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研究分担者 |
花岡 和則 国立精神, 神経センター・神経研, 室長 (40189577)
林 恭三 岐阜薬科大学, 薬剤学, 教授 (00029935)
畠中 寛 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (60208519)
田中 亮 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (90094383)
三木 直正 金沢大学, がん研究所・薬理部, 教授 (40094445)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
19,500千円 (直接経費: 19,500千円)
1989年度: 19,500千円 (直接経費: 19,500千円)
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キーワード | P_<400>蛋白質 / IP_3受容体 / staggererミュータントマウス / プルキンエ細胞 |
研究概要 |
小脳プルキンエ細胞の棘突起が欠失しているために顆粒細胞平行線維とのシナプス連絡が出きず、しかもプルキンエ細胞のCa^<2+>スパイクがみられないstaggererミュータントマウスでは分子量25万の膜蛋白質であるP_<400>蛋白質が著減している。我々は本蛋白質に着目して研究を行なっているが、今回、本蛋白質の細胞内機能を解明することに成功したので報告する。 1.staggererミュータントマウスではCa^<2+>スパイクがみられないところからCa^<2+>が関与する情報伝達系の一部に異常があることを予測していたが、分子量、局在性などからイノシトール3リン酸(IP_3)受容体である可能性が考えられたので、その同一性について検討を行なった。マウス小脳のP_2/P_3画分を1%TritonXー100で可溶化した上清について種々のクロマトグラフィーを行なうことにより、単一蛋白質としてIP_3受容体を精製することに成功した。 2.P_<400>蛋白質に対する3種類のモノクローン抗体を用いたimmunoblot解析の結果、精製したIP_3受容体P_<400>蛋白質そのものであることを明らかにした。 3.3種類のモノクローン抗体を用いてマウス小脳のcDNAライブラリーより得られたP_<400>蛋白質のcDNAクローンの塩基配列よりアミノ酸全一次構造を始めて明らかにした。 P_<400>蛋白質はプルキンエ細胞の樹状突起の発達とともに発現が増大することからプルキンエ細胞の成長に深く関わる物質であることが予測される。今回、P_<400>蛋白質がIP_3受容体そのものであることを明らかにしたことは、神経細胞の分化、発達、さらには高次機能の発現においてCa^<2+>の関与する情報伝達系が重要な役割を果たしていることを強く示唆するものである。
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