研究課題/領域番号 |
01639504
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
名取 俊二 東京大学, 薬学部, 教授 (50012662)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ヴィテロジェニン / P-エレメント / センチニクバエ / 遺伝子導入 / 胚発生 |
研究概要 |
研究代表者はここ数年、センチニクバエの生体防御蛋白に関する研究を行なって来た。その中で明らかになったことは、生体防御蛋白の中のあるものは二重機能性で、防御だけでなく、胚や蛹の時期に生体防御以外の重要な生理機能をもになっているということである。そういった蛋白の一つにセンチニクバエレクチン(以下レクチンと略す)がある。このレクチンは、胚発生後2日目をピ-クに発現が見られるが、一令の幼虫には認められない。この研究の目的は、このレクチンの胚発生における機能を明らかにするため、アンティセンス鎖を胚の中で発現させることである。そのためには、ショウジョウバエのP-エレメントにレクチン遺伝子をつなぎ、卵の中に導入する必要がある。しかし、ニクバエは卵胎性であるため、ショウジョウバエで用いられるインジェクションの手法が使えない。そこで、卵黄蛋白ヴィテロジェニンとDNAを結合し、これを成虫に注射し、卵に取り込ませるという新しい手法の開発を試みた。 昨年までの研究で、センチニクバエのヴィテロジェニンの精製、レクチンアンティセンス鎖発現可能なベクタ-の作製など、基本的な材料が準備された。本年度は、放射標識したヴィテロジェニン結合DNAをニクバエのメスの成虫に注射し、卵へのDNAの蓄積を検討した。その結果、1.注入したDNAの一部は卵の中へ取り込まれる。2.ヴィテロジェニンを結合しなくても、DNAは卵に取り込まれる。3.取り込まれたDNAの分子サイズはかなり小さくなる。といった三点が明らかになった。当初考えた、ヴィテロジェニンを介したDNAの取り込み、ということは、DNAだけでも取り込まれるという事実から、簡略化される目途がついた。ただし、取り込まれたDNAが分解を受けるらしく、小さなDNAしか回収できない。今後は、卵中で外来DNAの分解が防げるような方法を考えて行く必要がある。
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