研究概要 |
1.ADP-リボシル化および脱ADP-リボシル化酵素活性の測定法の改良-動物組織あるいは培養細胞の粗抽出液を用いて上記修飾および脱修飾酵素活性を測定する条件を検討した結果、多くの場合ホスホジエステラ-ゼ活性が非常に強く、これを阻害しないと他の酵素の基質や反応生成物が分解されて活性測定し難いこと、この阻害にはEDTA+AMP(各1mM)あるいはIMP(5mM)の添加が有効であることを見出だした。 2.ADP-リボシル化の新しい阻害剤の発見-約200種の化合物について、ADP-リボシルトランスフェラ-ゼ(ニワトリ肝臓核および七面鳥赤血球から精製)とポリ(ADP-リボ-ス)シンテタ-ゼに対する阻害効果を、in vitro反応系を用いて調査した。その結果、既知の阻害剤と構造の全く異なる多数の強力な阻害剤の存在が明らかとなった。その中には、トリプトファンの天然の代謝産物や各種ビタミンおよびビタミン様物質とその誘導体(レチナ-ル、k_2,k_3,α-リポ酸、不飽和脂肪酸など)が含まれていた。また、これらの効果がそれぞれの酵素に特異的なものと共通なものに分かれることを見出だした。 3.膜内在性ADP-リボシル化酵素とアクセプタ-の解析-ラット脳より単離した膜画分が[^<32>P]または[^<14>C]NADからADP-リボ-ス部分を濃度、時間依存度に酸不溶性画分にとりこむことを見出し、その測定系を確立した。アクセプタ-となるアミノ酸は、阻害剤や安定性からアルギニンと推定された。
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