研究課題/領域番号 |
01641520
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
笹 征史 京都大学, 医学部, 助教授 (20025654)
|
研究分担者 |
氏原 久充 京都大学, 医学部, 助手 (00213421)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 前庭神経内側核ニュ-ロン / プロティンキン-ゼC / ホルボルエステル / 自発発火 / カルシウムチャンネル |
研究概要 |
延髄スライス標本において、前庭神経内側核ニュ-ロンは規則正しい自発発火を示すことから、自動能があるように考えられる。本研究ではこの自発発火において、細胞内のプロティンキナ-ゼCがどのような役割を演じているかについて電気生理学的研究を行った。ラット延髄スライス標本において、細胞外に記録した前庭神経内側核ニュ-ロンの自発発火数およびリズムは、水槽内に投与したプロティンキナ-ゼCを活性化するホルボルエステルによって影響を受けなかった。一方、酵素処理により単離した前庭神経内核ニュ-ロンについて、ホ-ルセル記録を行ったところ、静止膜電位が-60〜75mVにおいて、やはり規則的な自発発火がえられた。このような状態下で、外液にGABAを作用させると膜電位依存性の外向き電流がえられ、かつGABAの作用はビククリンより遮断された。従って、このようにして単離されたニュ-ロンは膜興奮性とGABA受容体機能が保持されていると考えられた。外液にホルボルエステルを投与すると自発発火リズムが乱れ群発発火がおこり、この発火につづいて過分極がおこった。次に、テトロドトキシンおよびTEAを外液に投与してナトリウムおよびカリウムチャネルをブロックしておき、さらに記録電極内にEDTAを入れ、この単離ニュ-ロンからホ-ルセル記録を行った。このような条件下で、細胞内へ脱分極パルスを与えた時にえられるカルシウム電流について検討した。この電流は外液に加えたホルボルエステルにより増大した。洗滌後はもとのレベルまでに回復した。これらのことから、プロティンキナ-ゼCの活性化により、カルシウムチャンネルが開口され、カルシウムの流入と共に自発発火が亢進し、次いでCa^<++>活性性カリウムチャンネルが開口して過分極による興奮抑制がおこると考えられる。
|