研究課題/領域番号 |
01641521
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 一和 京都大学, 医学部, 助手 (00172263)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ナトリウム利尿ペプチド / 心房性ナトリウム利尿ペプチジ / 脳性ナトリウム利尿ペプチド / 受容体 / グアニル酸シクラ-ゼ / サイクリックGMP / 単クロ-ン抗体 |
研究概要 |
ナトリウム利尿ペプチドファミリ-はANPとBNPよりなることが明らかになってきたが、本年度は、我々はヒトBNP、ラットBNPの単離・構造決定に成功した。一方、ナトリウム利尿ペプチド受容体には、膜型グアニル酸シクラ-ゼとcoupleしたbiologicallyactive receptor(B受容体)と、生物活性を持たずクリアランスのみに関与するclearance receptor(C受容体)の存在するとの仮説が提唱されてきた。我々はウシ肺のANP受容体に対する12種類のモノクロ-ナル抗体の開発に成功したが、これはC受容体に対するものであることが判明した。さらに、この中の4抗体はウシのみならずヒト、ラットの受容体をも認識するものであった。この抗体を用いて受容体の体内分布とB/C比と肺、腎、副腎、脳で検討すると、組織により著しい差が観察された。さらにB受容体の2subtypeとC受容体がクロ-ニングされたので、Northern blot法でヒト、ラットの組織で検討すると、3種の受容体の体内分布は組織により著しく異なっていることが確認された。また、ANPとBNPの3受容体に対する選択性も異なっており、生理作用との関連が注目される。以上のように、ナトリウム利尿ペプチドシステムは少なくとも2種類のリガンドと3種類の受容体よりなっており、これらの複雑且つ巧妙な相互作用で体液量、血圧調節に関与する心臓ホルモン、神経ペプチドとして作用しており、その分子機構についてさらに検討をすすめている。
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