研究課題/領域番号 |
01641540
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
小河原 宏 明治薬科大学, 薬学部・第二生化学教室, 教授 (00097198)
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研究分担者 |
東 恭一郎 明治薬科大学, 薬学部・第二生化学教室, 助手 (10189748)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | イソフラボン / ゲニステイン / 蛋白質チロシンキナ-ゼ / イノシト-ルリン脂質 / 酵素阻害剤 |
研究概要 |
癌遺伝子産物の一つである蛋白質チロシンキナ-ゼの阻害剤として見出したイソフラボンの一種であるゲニステインのイノシト-ルリン脂質代謝回転に対する作用を、蛋白質チロシンキナ-ゼ阻害作用との関連から検討した。Swiss3T3細胞をボンベシンで処理すると、イノシト-ルリン酸量(1P_2+1P_3)は一過性に亢進されるが、ゲニステインはこれを顕著に阻害した。ボンベシンのかわりにAlCl_3+NaFで処理した場合イノシト-ルリン酸量が増加するには潜伏期があり最大値に到達するまで約15分を必要とするが、ゲニステインはこれも阻害した。細胞をジギトニンで透過性にした場合、AlCl_3によるイノシト-ルリン脂質の増加には潜伏期がなくなると共にATP依存性となった。このATP依存性はAlF_4^-のかわりにGppNHpを用いた場合も同様にみられた。このATP依存性につき各種ATP同族体について調べると、イノシト-ルリン脂質量の増加はATPのみ、AlF_4^-の4ではみられず、ATPとAlF_4^-共存下でみのみられ、ATPのかわりにAppNHp、AppCH_2p、ADP、ADPBSでは観察されない。一方ATPrSの場合には単独でもイノシト-ルリン脂質量を増加させた。このAlF_4^-によるイノシト-ルリン脂質量の増加はゲニステインにより阻害されたが、その阻害の程度はAlF_4^-の濃度に依存的でなくほぼ一定であった。またこのホスファチジルイノシト-ル分解はATP添加により濃度依存的に亢進されるが、ゲニステインにより阻害され、このATP依存性を高濃度側に移行させるように作用すること即ちATPと競合することにより阻害を示すことが明らかとなった。以上の結果からゲニステインの作用点としてホスホリパ-ゼCの活性化部位の可能性が示された。
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