研究課題/領域番号 |
01641541
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
杉山 博之 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (20124224)
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研究分担者 |
中山 孝 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (90150060)
古家 喜四夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40132740)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | グルタミン酸受容体 / シナプス可塑性 / イノシト-ル燐脂質 / フォスフォリパ-ゼ |
研究概要 |
我々は海馬における苔状線維とCA3野錐体細胞間のシナプスの長期増強(LTP)のメカニズムを追求しているが、先にこのLTPが百日咳毒素感受性Gタンパク質を介して起こっていることを示した。このGタンパク質のエフェクタ-分子は不明であるが、フォスフォリパ-ゼC(イノシト-ル燐脂質代謝)やフォスフォリパ-ゼA_2(アラキドン酸カスケ-ド)等はその候補である。特に後者はSchaffer側枝および交連線維とCA1野錐体細胞間のシナプスのLTPに関与する可能性が示唆されているので、CA3野シナプスのLTPの研究にとっても興味深い。そこで、フォスフォリパ-ゼA_2の阻害剤、NDGA(nordihydroguaiaretic acid)およびBPB(bromophenacyl bromide)を用いて、ラット海馬スライスにおけるCA1野およびCA3野のLTPに対するこれらの阻害剤の影響を検討した。 実際はラット海馬のスライスを用いて行い、集合EPSPを測定することによって、頻回刺激前と30分後でシナプス伝達効率がどのように変化するかを見積った。 その結果、両阻害剤ともにCA1野シナプスのLTPを阻害したが、CA3野シナプスのLTPには顕著な影響が見られなかった。BPBはフォスファチヂルイノシト-ルに特異的なフォスフォリパ-ゼCも阻害するという報告があるが、CA1野シナプスのLTPに対するBPBの効果はこの酵素を介したものではないことをスライスのホモジェネ-ト中のこの酵素の活性を測定して確かめた。これらのことから、CA1野シナプスとCA3野シナプスとではLTPの機構が異なり、前者ではフォスフォリパ-ゼA_2が関与しているらしいが、後者では関与していないらしいことが示唆された。
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