研究課題/領域番号 |
01641544
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
重川 宗一 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 部長 (00113738)
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研究分担者 |
岩田 裕子 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (80171908)
古川 賢一 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (20165468)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 血管平滑筋 / 細胞膜Caポンプ / Cキナ-ゼ / カルシウム / 膜電位 |
研究概要 |
1)細胞膜Ca^<2+>pumpのプロテインキナ-ゼC(Cキナ-ゼ)による活性化の機構について、ウシ大動脈平滑筋から精製した細胞膜Ca^<2+>pump ATPase標品を用いて研究を行なった。細胞膜Ca^<2+>pump ATPaseのATP加水分解活性はCキナ-ゼ処理で活性化を受けたが、その活性化の様式はATPaseのCa^<2+>に対する親和性の上昇であった。次に、Ca^<2+>pump ATPaseをリン脂質膜小胞に埋め込んで、Ca^<2+>pumpを再構成し、リボソ-ム内へのATP依存性のCa^<2+>取込を測定した。やはりCa^<2+>に対する親和性の増大の形でCキナ-ゼによるCa^<2+>pumpの活性化が観察された。そこで、Ca^<2+>pump ATPaseの活性化がATPase自身のリン酸化によるものかどうかを、ATPaseに対する特異的モノクロ-ナル抗体を用いて調べた。平滑筋の細胞膜ATPase分画をCキナ-ゼ及び〔γ-32P〕ATP存在下でincubateし、抗Ca^<2+>ATPase抗体を結合させたアガロ-スビ-ズと反応させ、遠心後その沈澱をSDS-PAGEで解析した。免疫沈降させられた蛋白は分子量135KダルトンのCa^<2+>pump ATPaseのみで、オ-トラジオグラフィ-で調べるとその蛋白バンドのみがstoichiometry,1mol ATPase当り約1molでリン酸化されていた。さらにCa^<2+>pump ATPaseの燐酸化とATPaseの活性化との間によい相関があった。従って、血管平滑筋細胞の細胞膜Ca^<2+>pumpはCキナ-ゼの直接燐酸化によって活性の調節を受けることが強く示唆された。 2)ラット大動脈平滑筋から調製した初代培養血管平滑筋細胞を用いて細胞膜Ca^<2+>pumpに対する膜電位の影響を調べた。細胞外液のカリウムイオノフォア存在下にカリウムイオン濃度を種々の濃度に変えることで膜電位を種々の値にクランプし、Ca^<2+>pump活性を外液Na非依存性の^<45>Ca^<2+>effluxとして測定した。Ca^<2+>pump活性は静止膜電位より過分極側で活性が抑制を受け、脱分極側で促進をうけた。このことはCa^<2+>pumpが起電位性を持つことを示唆する。さらに種々の膜電位を変化させる血管作動物質によって細胞膜のCa^<2+>pumpが活性の調節を受ける可能性をも示唆する。
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