研究課題/領域番号 |
01642004
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤崎 博也 東京大学, 工学部, 教授 (80010776)
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研究分担者 |
荻野 綱男 筑波大学, 文芸言語学系, 講師 (00111443)
窪園 晴夫 南山大学, 外国語学部, 講師 (80153328)
今泉 敏 東京大学, 医学部, 助教授 (80122018)
森川 博由 東京大学, 工学部, 助手 (40011217)
広瀬 啓吉 東京大学, 工学部, 助教授 (50111472)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1989年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | 基本周波数パターン / 日本語音声 / 韻律的特徴 / 言語的情報 / パラ言語的情報 / AーbーS分析法 / 藤崎モデル |
研究概要 |
基本周波数パターンの分析・特徴抽出手法の整備を行うとともに、日本語音声の韻律的特徴に関して基礎的研究を行い、以下の成果をあげた。 1.自動化に適した高精度基本周波数抽出手法を開発し、基本周波数パターンのAーbーS分析法の高速・自動化と高精度化を進めた。 2.日本語平叙文における言語的情報と韻律的特徴との関係について調べ、文中で追加されるフレーズ指令の大きさは一般的には文末に向かい減少する傾向にあるが、このようなdefaultイントネーションからの変化が談話情報の伝達に重要であること、複合語のみならず、意味的なまとまりが強い語の間でアクセント結合が生起すること、複数の韻律語連鎖では、個々の語のアクセント型により、統語・談話情報の具体的表現方法が異なること、を明らかにするとともに、藤崎モデルを用いることにより、これらがアクセント指令の比較的単純な規則として定式化されることを示した。 3.発話意図を制御した音声資料を用いて、パラ言語的情報と韻律的情報との関係を生成・知覚の両面から調べ、主として文末での基本周波数パターンの形状により発話意図が表現されるが、その部分の語のアクセント型により、傾向に若干の差異がみられること、発話意図の聴取者への伝達では、聴取者による若干の個人差がみられ、また、単なる疑問と勧誘とは混同されやすいこと、を明らかにした。 4.従来のダウンステップモデルと藤崎モデルとの基本周波数の下降現象の表現という観点から比較し、同一の現象を異なる見地から捉えていることを示した。 5.強調表現の方言・地域差を聴取実験により調べ、一型アクセントの茨城では東京・大阪と異なり、語順の制御が重要であることを示した。 以上、ほぼ当初の計画通りに研究は進行している。
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