研究課題/領域番号 |
01642008
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中山 一郎 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60029890)
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研究分担者 |
上畠 力 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00030354)
柳田 益造 郵政省通信総合研究所, 関西支所・知覚機構研究室, 室長 (00116120)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 日本語による歌唱 / ベル・カント唱法 / 上演芸術 / 伝統芸能 / 等拍性 / singing formant / ホルマント周波数 / 日本語の表現法 |
研究概要 |
日本語の詞を洋楽的唱法で歌唱する場合にしばしば起こる、歌詞の不明瞭さや日本語としての不自然さを克服するための第一歩として、古来、日本語の扱いに長じた伝統芸能(邦楽と略記。本年度は狂言と義太夫節)における日本語の表現法(主として音色に関する発声法と、言葉のあてはめに関する音の移行法)に着目し、洋楽的歌唱(洋楽と略記)と原則的に同一のテキスト(/かえでいろづく やまのあさは/の詞に、各々、語り、歌いの要素の強い曲態で創作)を用いて、各分野のプロ演奏者(複数)に無響室内で発声させ、表現法の音響的・韻律的特徴を洋楽のそれと比較した。邦楽の発声の場合、テキストの曲態のニュアンスが失われない範囲内で各分野特有の表現法が可能なように、メロディやリズムの変更を許した。音声分析は、DATによる収録音声をワークステーションを用いて20KHz、12bitの精度でAD変換し、パワー、スペクトル特性、ピッチ、ホルマント周波数を求めた。その結果、次のことが明らかになった。1.共に明瞭なsinging formantが認められるが、洋楽に比べて邦楽は高次倍音をより多く含み、ヴィブラートはより少なく、話し声により近いフォルマント成分を有する。2.洋楽では、一定の響きを持った母音の中で子音は短く発音され、また、音の移行と一音節の発音がほぼ同時で、音の移行も明瞭であるのに対し、邦楽では、子音は一般的により長めで、母・子音とも多様な音色の変化をつけ、また、音の移行と発音のズレを意識的に起こさせたり、フレーズの最初の二音節をまとめて発音することも行なうなど、強弱のリズムが希薄で、等拍性という単調なリズムになり易い特徴を持った日本語に変化を与えている。これらの諸特徴は、引き続き分析研究を行なう予定の、謡曲、地歌、長唄、民謡などの他の伝統芸能にも共通するものと考えられる。
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