研究課題/領域番号 |
01642011
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
河野 守夫 神戸市外国語大学, 教授 (20073364)
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研究分担者 |
牟田 弘 東大阪市立中央病院, 耳鼻咽喉科, 部長 (40138087)
三浦 一朗 京都教育大学, 助教授 (00199944)
中嶋 鴻毅 攝南大学, 国際言語文化学部, 専任講師 (40089884)
杉戸 清樹 国立国語研究部, 言語行動研究所, 第1研究室長 (10099913)
大山 玄 ATR視聴覚機構研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | リズム知覚の機構 / echoic memoryの保持時間 / 意味の知覚単位 / 聞きとりのメカニズム / リズムと言語獲得 / 音節構造とリズム / 身振り言語の構造 |
研究概要 |
3か年間にわたって行う研究実施案として、1)perception centerの特定化、2)Connected speechにおけるperceptual unitの特定化、3)幼児の言語獲得に果たすリズムの役割、4)談話におけることばのあいづちと身振りのあいづちー抑揚、ポーズと身振りの関係、5)日本語の特殊拍および拗音の持続時間とリズムの関係ー外国人による日本語との比較音声学的考察、6)外国語と日本語の音節構造とリズムーことばのリズムのlanguage specificな側面とuniversalな側面の追求、7)発声、発話のリズムとポーズ、呼吸の関係について、の7つを立て、平成元年度においては、これらの予備的データーを収集し、解析の方法を開発することにした。この目的は概ね達成された(別紙11「研究発表」参照)。これを要約すれば次のようになる。(1)言葉のリズムの知覚には、holisticとanalyticな方法があり、各々、inter stress interval(ISI)が300ms以内の速いテンポの刺激列(無意味語)と400ms以上の遅いテンポの刺激列に対応し、これには神経心理学的事実の裏づけがある。ISIが300ー400msはその境界域である。(2)速いテンポの刺激列は遅いそれに比し、echoic memoryに長く保持され、刺激聴取後ある種のcognitiveな作業を課してもその保持力はそれ程失われない。(3)Perceptual unitとは1つのまとまった意味がはりついたholisticに一気に知覚される音節列であって、その長さは7±2音節を限度とする。通例、句(phrase)の単位と一致する。(4)幼児は大体4才を境にリズム知覚の型がholisticからholisticとanalytic両様使用型に変容する。(5)幼児の拍の等時性の獲得は音節のそれよりかなり遅れる。音節の構造が言語のリズムの特徴をかなり規定している可能性がある。(6)ジェスチャーのうちiconicsと呼ばれるものの理解は言語能力の高い者ほど容易である。また、iconicsは音声言語の句または節に対応して生起し、言語的性格をかなりもっている。
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