研究課題/領域番号 |
01643506
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
石田 肇 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70145225)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | モンゴロイド / 頭蓋骨 / 頭蓋形態小変異 / シベリア / 形質人類学 |
研究概要 |
1.シベリア・極東地域に住む現代集団の人骨、先史時代に属するものとしてはバイカル湖付近の新石器時代人骨、アム-ル河下流域のトロイツコエ遺跡出土の人骨、チュコト半島のエクヴェン遺跡から出土した約2000年前の人骨の頭蓋骨計測値36項目および頭蓋形態小変異35項目の個体別デ-タのデ-タベ-ス化を進めた。 2.アム-ル河流域とサハリン島に住む集団、具体的には、サハリンアイヌ、ウリチ、ナナイ、ネギダ-ル、ニブヒ、オロチそしてトロイツコエ靺鞨文化人骨の頭蓋骨の計測値、形態小変異のデ-タをもとに集団間の距離を求め、多変量解析法等を用いてその類縁関係をあきらかにした。その結果、ソ連の人類学者がバイカル型と分類している群に含まれるアム-ル河流域の4集団は互いによく類似し、レヴィンによりサハリン-アム-ル型とされたニブフは頭蓋形態でははっきりとした独自の形質を持たないようである。また、サハリンアイヌはすでに先学が指摘しているように、残りのモンゴロイド集団と形態学的に異なるようである。頭蓋形態小変異では近世のアム-ル集団と似るトロイツコエは、計測値を用いた場合、他と大きく異なり、文化的な面からも、より西の方との交流を考える必要がある。 3.京都大学に保管されているサハリンアイヌの頭蓋形態小変異を調査し、レニングラ-ドで調べた分と合わせて、距離計算をおこなうとサハリンアイヌは東アジアの集団と北海道アイヌの中間に位置する。このことからサハリンアイヌは北海道アイヌとはかなり違っており、ある程度の混血が考えられる。
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