研究課題/領域番号 |
01643508
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小疇 尚 明治大学, 文学部, 教授 (10061897)
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研究分担者 |
叶内 敦子 明治大学, 文学部, 助手 (50194882)
杉原 重夫 明治大学, 文学部, 教授 (90061978)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 最終氷期 / 寒冷期 / 立山火山 / 栗駒山湿原 / モレ-ン / 火砕流堆積物 / 大町テフラ / 花粉分析 |
研究概要 |
当初の研究計画のうち、天候不良で実施できなかった北海道を除く中部山地と東北地方で現地調査を行った。 1.中部山地の立山では、立山火山の噴出物と氷河堆積物の層序関係を調査し、次のような結果がえられた。 (1)立山火山第2期火砕流堆積物(=大町テフラDpm、約10万年前)をおおって氷河堆積物が広く分布しており、室堂平と弥陀ガ原に氷河が大きく進出していたことが明らかになった。(2)この氷河堆積物は、立山火山第3期火砕流堆積物(=大町テフラEpm、約5万年前)に直接おおわれており、最終氷期前半の氷河拡大期にもたらされたことが明らかである。また立山火山第3期火砕流堆積物は、層相から氷河上に噴出し堆積した可能性がある。(3)立山火山第3期火砕流堆積物は、さらにその後の氷河堆積物におおわれており、最終氷期後半にも室堂平一帯に氷河が進出していた。(4)従来知られていなかったモレ-ンが新たに見出され、上記2回の氷河の拡大規模は従来の定説よりかなり大きかったことが明らかになった。 2.東北地方の栗駒山湿原をはじめ、各地で堆積物の露頭調査とボ-リングを行い、テフラと花粉分析によって次のような結果がえられた。 (1)最終氷期までさかのぼる泥炭地のボ-リングコアがえられ、東北地方南部以南の山地では不明瞭であった、更新世・完新世の境界が明らかになりつつある。(2)最終氷期には前半の5万年前頃と後半の2万年前頃に寒冷期があり、前半の方が湿潤寒冷であったことがわかった。 以上、中部山岳と東北地方でも、最終氷期には前半と後半の2回の寒冷期の存在が明らかになった。しかし試料の分析が完了しておらず、その年代と環境変遷の詳細については結論をえていない。
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