研究課題/領域番号 |
01643511
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
山本 紀夫 国立民族学博物館, 第4研究部, 助教授 (90111088)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 南アメリカ / 先史モンゴロイド / 適応戦略 / イモ型有用植物 / 栽培化 |
研究概要 |
南アメリカでは、先史モンゴロイド集団がジャガイモ、サツマイモ、マニオクなどに代表される優秀な根栽類を栽培化し、それが同大陸でのその後の諸社会の成立発達を促進した、と申請者は考えている。このような仮設にもとづき、本研究は(1)南アメリカにおけるイモ型有用植物の栽培化のプロセス、(2)このイモ型明用植物の栽培利用からみた南アメリカ諸民族の食糧生産システムの特徴、の2点を主として民族植物学の観点から明らかにすることを主たる目的としている。 イモ型有用植物の栽培化のプロセスの究明については、イモの毒抜き技術に焦点をしぼった。これは、申請者が従来行ってきた調査結果からイモの毒抜き技術とイモ型有用植物の栽培化のあいだに密接な関係があるとの確信を得ていたからである。特に、ジャガイモをはじめとするアンデス高地原産のイモ類については申請者自身の調査による豊富な資料があるため、地域としてはアンデス高地を主に研究を実施した。この資料を整理分析したところ、アンデス地域には10数種類の毒抜き技術の方法のあることが判明した。そして、このような多様な加工技術の存在が多種類のイモ類の栽培化を可能にし、ひいては世界的にも例を見ないほどの高地での先史モンゴロイド集団の定住を可能にした大きな要因であること、アンデス地域におけるイモ類の加工技術は系譜的には同一であること、さらにアンデスのイモ類の毒抜き技術はアマゾン流域のそれとも密接な関係をもつ可能性のあること、等が明らかにされた。 これらの研究結果についての検討は、ペル-・リマ市には本部のある国際ポテト研究センタ-での共同研究(平成1年12月〜2年1月)や国立遺伝学研究所と民博との大学院共同研究会における発表などを通じて行った。なお、アンデスのイモ類の毒抜き技術的側面についての研究成果は同研究センタ-から近く出版物として刊行予定である。
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