研究課題/領域番号 |
01644006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤田 敏三 広島大学, 理学部, 教授 (20004369)
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研究分担者 |
遠藤 敏郎 広島電機大学, 工学部, 教授 (60069200)
前野 悦輝 広島大学, 理学部, 助教授 (80181600)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1989年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 酸化物超伝導膜 / プラズマ放電酸化 / メスバウアスペクトル / スパッタ法 / 磁化曲線 / STM / STS |
研究概要 |
本研究のねらいは、新超伝導エレクトロニクスの基礎となると期待される酸化物高温超伝導膜の作成とその物性評価である。 本年度は、まずYBa_2Cu_3O_7のスパッタ膜の酸化条件をプラズマ放電によって制御し、超伝導性を調べた。とりわけ、超伝導性の経時変化を詳細に調べた結果、プラズマ処理を行った膜は、少くとも3ケ月は特性に大きな変化が認められなかった。なお、YBa_2Cu_3O_7の1部をFeで置換した試料におけるメスバウアスペクトルの解釈をめぐって多くの説があったが、同一試料で酸化度を変えたときのスペクトルの変化に着目した新しいスペクトル分解法を発案し、解釈の基本となる正しいデータ処理方法を確立した。(裏面の第1,3,5論文) スパッタ法によるBi-Sr-Ca-Cu-Oの高配向度膜作成に関する基礎データを蓄積した。これまでに、as-deposit膜で50K,熱処理後で80Kを越す臨界温度Tcをもつ膜(2-2-1-2相)の作成に成功している。熱処理後の膜については、常伝導状態の電気抵抗・ホール効果など輸送係数の温度依存性を解析し、電子状態についての知見を得るとともに、超伝導状態のおける磁化特性をSQUIDで測定し、薄膜中の磁束の振舞を調べた。Bi-Sr-Ca-Cu-O膜の磁化のデータは他にほとんどなく、注目されている。現在、磁化曲線と膜の構造や表面状態との関連を明らかにする研究を進めている。(裏面の第4論文) 表面状態の研究には、走査電子顕微鏡像の観察を行うとともに、走査トンネル顕微鏡(STM)による観察を試みている。すでに室温でBi-Sr-Ca-Cu-OのBi-O面の原子像の観測には成功しているが、低温の超伝導状態での原子像とI-V特性の空間依存性(STS)の観測を目指して装置の改造中である。後者については、未だ成功例の報告がなく困難な技術を含んでいるが、見透しは明るい。(裏面の第6論文)
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