研究課題/領域番号 |
01644502
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
増本 健 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20005854)
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研究分担者 |
松崎 邦男 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20181711)
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00161571)
井上 明久 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10108566)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1989年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 酸化物超伝導体 / High-Tc / 線材化 / 配向性 / 融体凝固法 / 高温押出し |
研究概要 |
本研究は酸化物超伝導体の線材化法として、酸化物を融点直下あるいは半溶融状態の加工しやすい高温で押出し加工することにより、配向性を有した酸化物超伝導体の作製を試み、臨界電流密度(Jc)の改善を目指している。 本年度は、はじめにPb_<0.2>BiSrCaCu_<1.5>OyをAuテ-プ上で融体凝個させ、その凝個条件を適切にコントロ-ルすることにより配向性酸化物超伝導体-Au複相テ-プを作製した。得られたテ-プは約100μmの厚さのAuテ-プと約70μmの厚さ酸化物からなり、酸化物のC面がAuテ-プ面に平行に配向した組織を示した。また酸化物とAuとの密着性は良好であり、これによりテ-プの屈曲性が改善されることがわかった。このテ-プ材は凝固させたままでは超伝導性は得られないが、1118Kでの長時間熱処理により105Kに零抵抗を示す超伝導テ-プとなった。Jcは77K、O磁場で100A/cm^2であり、配向組織を示しているにもかかわらず低いが、これは酸化物中に第二相やボイドがあるためであり、今後、組成の最適化や凝固条件を制御することにより改善を行う予定である。 次に、Pb_<0.2>BiSrCaCu_<1.5>Oyの粉末をAgシ-スに充填後、1118Kで高温押出しにより線材化を行った。押出し材は酸化物のC面が押出方向に平行に配向した組織を有し、その後スエ-ジング、圧延により0.1mm厚さまで加工したテ-プ材ではさらに配向度は上昇し、77K、零磁場で1500A/cm^2のJcが得られている。 以上のように融体凝固を用いても機械的な方法を用いても配向性酸化物超伝導体が得られることが分かった。今後、この2つの方法を組み合せた半溶融状態での押出法を確立し、より配向度の高い酸化物超伝導体を作製し、Jcの改善を試みる予定である。
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