研究課題/領域番号 |
01644527
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
田中 正一 日本大学, 理工学部, 教授 (70058600)
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研究分担者 |
山本 寛 日本大学, 理工学部, 助教授 (90130632)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導膜 / 多重積層 / 反応性スパッタ / 紫外線照射 / 低温成長 / as-grown膜 |
研究概要 |
本研究の第一の目的は、酸化物超伝導薄膜を低温基板上で安定に成長させるために,新しく多重積層スパッタ法を開発し、実験的パラメ-タを詳細に検討するところにある。 Y系材料に対してはrf反応性多重積層スパッタ装置を立ち上げ、さらに間欠的に回転する基板上への選択的光励起プロセスの導入が酸化あるいは結晶化の低温プロセス化に効果的であることを明らかにした。例えば、基板温度Ts〜580℃、Ar+N_2O+UV照射によってY_2Cu_2O_5化合物膜が成長した。また、BaCuO_2化合物はUV照射なしでもTs〜540℃で良好な成長が確認された。つまり、組成制御性は大幅に改善され、安定な多重積層膜形成が可能となった。引続き、Y-CuとBa-Cu合金タ-ゲットからの交互反応性スパッタを行い、123相の層状成長へ向けての基礎的膜成長機構を検討するとともに、焼結タ-ゲットからの通常の膜成長時におけるN_2O+UVの効果についても比較検討している。 一方、Bi系薄膜に関しては、対向タ-ゲット式反応性スパッタによるas-grown膜の特性改善を検討中である。現状では、Ts〜700℃において、比較的表面平滑性に優れた(2223)組成の膜を形成し、オンセット約95K、零抵抗温度約50Kの超伝導性を得ている。 今後、Y系(123)相の安定なエピタキシ-あるいはその低温化を目指し、さらに詳細な実験的検討を進める予定である。Bi系に対しては未だas-grown膜物性の改善をはかる段階であるが、層状成長しやすい材料であることから、多層化へ向けての基礎的成膜実験を展開する予定である。
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