研究課題/領域番号 |
01645002
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂東 尚周 京都大学, 化学研究所, 教授 (70027027)
|
研究分担者 |
山本 治 三重大学, 工学部, 教授 (70023116)
三浦 嘉也 岡山大学, 工学部, 教授 (80032952)
小松 啓 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00108565)
小菅 皓二 京都大学, 理学部, 教授 (00025371)
金丸 文一 大阪大学, 産業化学研究所, 教授 (40029848)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
76,300千円 (直接経費: 76,300千円)
1989年度: 76,300千円 (直接経費: 76,300千円)
|
キーワード | 高温酸化物超伝導体 / エピタキシャル薄膜 / 単結晶 / 価数分析 / 微細構造 / 結晶構造 / 状態図 / 光学スペクトル |
研究概要 |
研究成果を(1)新物質の探索、(2)状態図の作成、(3)微細構造解析と状態分布、(4)単結晶合成とその物性、の課題に分けて述べる。(1)は(a)La_<2ーx>Nd_xCuO_<4+y>、(b)La_2NiO_<4+y>、(c)BaTIO_4について検討し、(a)では高酸素圧下で合成して酸素量を変化させた結果、酸素量が多いとTcが上昇し、超伝導の体積割合は増加する。(b)および(c)では超伝導を示さない。Tc=7KのBiーSrーCuーO系にPbを置換し、少し還元するとTc=14Kの超伝導体が得られた。(2)Bi系の初晶面を検討し、またBi_2O_3ーSrOーCuO系、PbOーCaOーSrO系、Bi_2O_3ーPbOーCuO系の固相領域での状態図を正確に決定し、いくつかの新しい化合物を確認した。(3)高分解能電子顕微鏡によってYBCOの酸素量が不足した場合に正方晶と斜方晶が常に共存していることを見出し、またBi,PbーSrーCuーO系の変調構造を調べ、変調構造のない超伝導相が存在することを見出した。YBCOにFeをドープした場合、熱処理条件によってFeの分布が変化し、それが微細構造に影響し、Tcを変化させる。X線吸収スペクトルによれば、Tl系ではCuが2.2価、Tlは1価であり、TlからCuーO面へホールが供給されている。Bi系のBiとCuの価数の分析法として酸化ー還元滴定法を確立した。(4)徐冷法によってYBCO単結晶の育成を試み、単結晶のCrO_3の熱分解酸素による酸化処理に成功した。反応性蒸着法によるYBCO薄膜はRHEEDの観察によれば層状成長している。またこの単結晶薄膜を用いて角度分解光電子スペクトル、さらに高感度の磁気抵抗効果の測定を行い、電子状態に関する貴重な見知を得た。単結晶の反射スペクトルを測定し、光学常数を求めた。交互スパッタによるBi系超伝導薄膜を作製し、その微細構造を検討した。以上、本研究によって、各研究課題について多くの基礎的で重要なデータや知見が得られた。
|