研究課題/領域番号 |
01645510
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
福田 安生 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30208970)
|
研究分担者 |
中西 洋一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (00022137)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 高温超伝導 / 電子分光法 / UPS / XPS / YBCO / BiSrCaCuO / TlBaCaCuO / NdCeCuO |
研究概要 |
[1]Y系。YBCO系において、我々は780eVピ-クはBaCO_3、およびBa(OH)_2に対応し、778eVピ-クがYBa_2Cu_3O_7に対応することをあきらかにした。これらの結果をもとにして、多結晶試料の粒界をXPSを用いて調べた。その結果次ぎの点を見出した。(1)粒界にはBaCO_3とBa(OH)_2が存在する。(2)粒界には結合エネルギ-の小さいBa(777.8eV)が存在する。[2]Bi系。Bi_2Sr_2CaCu_2O_8においてCaサイトにYを置換するとTcが減少することが見出されていたが、それにともなう電子状態の変化は不明であった。我々は、UPS、XPSの測定結果より、(1)Y=0.4でTc=45Kとなり、フェルミエッジの状態密度は減少する、(2)Y=0.7でフェルミエッジは消滅する、(3)Yの置換によりBi4fの電子状態は変化しない、ということを見出した。以上のことから、(1)フェルミエッジの状態密度はTcに関連する、(2)Yによる置換でBiO層の電子状態は変化せず、CuO_2面の電子状態が変化し、それがフェルミエッジに反映されている、と結論ずけられた。[3]Tl系。Tl4fスペクトルの測定より、Tl一層化合物ではTlは3価であり、二層化合物では1価と3価の中間であることが明かとなった。以上の結果より、Tl一層化合物ではTlが3価をとることにより酸素にホ-ルが導入され、Tl二層化合物ではTlからCuO_2面に電荷移動が起こることにより、CuO_2面にホ-ルが注入され、超伝導を生ずると推測した。[4]Nd系。Nd_<2-x>Ce_xCuO_4のXPS測定を行い、フェルミエッジが明確に存在することを世界で初めて明らかにした。又、Ceド-プ量の変化とCu2pのサテライトピ-ク強度変化の関係より電子はCuサイトに注入され、Cu3d^<10>となることを見出した。
|