研究課題/領域番号 |
01645511
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
後藤 共子 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (00024323)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1989年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 高温酸化物超伝導体 / 細線化 / 懸濁紡糸法 / 臨界電流密度 / 極細繊維 / Bi系酸化物超伝導体 / T1系酸化物超伝導体 / 組織制御 |
研究概要 |
超伝導マグネットや超伝導ケ-ブルへの高温酸化物超伝導体の応用には高い臨界電流密度(Jc)をもつ細線の線材化が必要である。私共では繊維紡糸技術を用いて簡単に連続した酸化物超伝導体繊維を作成する技術を開発した。すなわち、酸化物の粘性プリカ-サ-を繊維状に、押し出し、乾燥し、その後処理により、揮発性物質を除くとともに超伝導相を出現させる方法である。本年度では初めにこの方法でY系酸化物極細超伝導繊維の製造を検討した。その結果、直径15μmまでの細い繊維を作ることが出来た。繊維の77KでのJcは直径50μmで最大値1280A/cm^2となった。Jc=140 A/cm^2を示した15μmの繊維は表面が直径0.5μmの微粒子で覆われており、内部は1μmx5μmのブレ-状結晶が詰まっていた。今後さらに細かい繊維を作るためには溶液状プリカ-サ-からの紡糸を研究する必要がある。 次にHighTc相のBi系及びT1系超伝導酸化物の懸濁紡糸を行い、その紡糸条件と、それに続く熱分解、焼結処理矢プレス処理などのち密化処理を詳細に検討して得られる繊維の組成、構造、組織を制御して繊維の超伝導特性の向上を計った。これらの繊維のJcは紡糸条件よりもち密化条件に大きく存在し、Bi系繊維では最高はTcは105Kで、77K、OTでのJcは1900A/cm^2を示し、2223相のc軸が繊維表面に垂直に配向した構造をしていた。T1系繊維ではTc=112Kの最高値を示し、77KでJc=2300A/cm^2を観測した。この場合は2223相をで発原料に用いたにもかかわらずT1酸化物の揮発性のため高いJcを示す繊維は1223相となっていた。さらに高いJcを達成するため結晶の熔融成長等の後加工を検討中ではある。
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