研究課題/領域番号 |
01645517
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
渡辺 邦洋 東京理科大学, 理工学部, 講師 (40084470)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ヨ-ドメトリ- / ヨウ素の抽出 / イオン対抽出 / Cuの価数分析 / 超電導体の分析 |
研究概要 |
本研究では試料の局所分析に適用するため徴量の試料を使用する分析法を、特にCuの価数分析を主として検討した。試料としてYBCOを使用し、一般にCuの平均原子価を求める方法として利用されているヨ-ドメトリ-に抽出緑光法を導入することにより、その試料採取量の減少を試みた。Cu(II)、(III)と反応し生成するI_2の定量は抽出法が最も再現性よく、空気による酸化の影響はわずかであった。このI_2はI^-_2として溶液中に存在するため、その抽出条件を検討した結果、ゼフィラミンの添加により95%以上が抽出されることがわかった。また試料溶解のため使用する塩酸は必要最少量が望ましく、多量の使用は大きな誤差を生じさせた。 確立された定量条件は精秤した試料3〜5mgを溶解させるため0.1Nの塩酸5mlを使用し、KI1gを含む溶液を調製する。これに試料を加え、超音波を10分間照射する。その後水で50mlとする。5mlを分取し、0.04%ゼフィラミン水溶液を5mlえ、クロロホルム20mlで抽出する。水を対照として364nmで吸光度を測定し、予め作成した検量線よりCu(II)、(III)の量を求める。さらにkIの添加順序を試料溶解後とし、同様の操作により、Cu(II)量を求め、計算によりCuの平均原子価を求めた。本法をYBCO試料に適用した結果は従来の多量の試料を使用する滴定法の結果と一致した。また1mg以下の試料を用い、上述の方法でCu(II)、(III)を求め、さらに他の方法、例えばICP-AESまたは吸光法により、そのCu量を求めることによってもCuの平均原子価を求めることができた。後者の方法は、薄膜のような微量試料に対しても十分適用可能と考えられる。
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