研究課題/領域番号 |
01647006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
横掘 武夫 帝京大学, 理工学部, 教授 (60005139)
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研究分担者 |
松尾 陽太郎 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70016608)
板東 義雄 科学技術庁, 無機材質研究所, 主任研究官
平井 敏雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005865)
淡路 秀夫 ファインセラミックスセンター, 主任研究員
青木 秀希 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (80014166)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
1989年度: 25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
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キーワード | セラミックスの粘性法 / 内部摩擦実験 / 応力緩和 / 破壊寿命の時間依存性 / 破壊寿命の繰返し回数依存性 / 破壊寿命の時間・繰返し回数依存性 / SEVNBによる破壊靭性試験 / 脆性破壊の起点 |
研究概要 |
本年度に得られた主要な研究成果は下記の通りである。 (1)無機系先端材料のように脆い材料が繰返し応力を受けたとき、破壊までの時間ないし繰返し回数が一体、負荷されている時間だけによってきまるのか、時間には無関係に応力を繰返した回数の多少によってのみきまるのか、それとも負荷されてきた時間と、応力を繰返された回数との双方の効果によってきまるのかと、問題は、実用上からも極めて重要である。しかるに、いまだ不明である。金属の腐触環境での本問題および金属の高温での本問題について系統的な研究基盤を与えている本計画研究班によって、本年度本研究について、繰返し周波数の範囲に応じて上記の三つの特性が現はれること、この特性が上記金属の腐蝕環境条件や高温条件での特性に類似していることが明確にされた。 (2)割れやすい材料とみられているセラミックスとして、アルミナ系セラミックスについて、さまざまな力学的試験の他に応力緩和試験や内部摩擦試験など系統的一連の実験と、その実験結果の理論解析によって、粘弾性の存在することを見出した。第2回全体会議で発表された、これらの結果はこれによって、割れにくくするための方法や加工しやすくするための技術に対する指針が得られることが期待されるとして新聞紙(日経産業新聞、朝刊、平成2年1月31日P6)上に報道されている。 (3)セラミックスの破壊靭性試験法として、これまでは、き裂を附した試験片を用いることが常とう手段とされている。しかし、これらの方法は、評価の正確さなど、さまざまな問題点をもつ。本班では、セラミックスにき裂ではなく、簡単なV型の切欠きを附するという新しい技術を開発し、これによって、破壊靭性を十分正確に評価できることを明確にしめした。これは新しい評価法(SEVNB法)である。 (4)切欠きないしき裂を持つ脆い材料において、それらの先端からのき裂の進展による破壊の起点の実体は未だに不明である。その端に結晶を含む場合に、転位の動的射出によって、切欠きないしき裂端に極めて大きな局所応力を生ずることを理論的に導出し、この個処が破壊の起点となり得ることを実験データと対比して立証した。
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