研究課題/領域番号 |
01649002
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
櫻井 英樹 東北大学, 理学部, 教授 (70025873)
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研究分担者 |
山本 明夫 東京工業大学, 資源研, 教授 (30016711)
中村 晃 大阪大学, 理学部, 教授 (80029404)
生越 久靖 京都大学, 工学部, 教授 (90026188)
岡崎 廉治 東京大学, 理学部, 教授 (70011567)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
1989年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
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キーワード | 有機ケイ素化合物 / ポリシラン / ケイ素2重結合 / 立体保護 / 金属錯体 / 人工酵素 / 触媒反応 / 有機合成 |
研究概要 |
本研究班では重点的に1)有機ケイ素化合物複合系、2)遷移金属ー小分子複合系、3)多点制御等高次制御を含む有機金属複合系等による有機反応の高次制御、及び4)高次構造を有する有機金属化合物および重ヘテロ原子化合物に絞って研究を行なった。 有機ケイ素化合物、特に炭素ー炭素2重結合、3重結合を有するものと遷移金属錯体複合系の反応挙動の解明と有機合成反応への展開のテーマでは、通常安定には存在し得ないSi=Si二重結合を芳香族化合物との複合系を設計することで安定化し、イオン重合により高分子量のポリシランを合成するのに成功した。実際これまでに得られなかった高次構造を有するポリシランが合成できこの領域に大きなインパクトを与えた。上記Si=Si二重結合の安定化のもう一つの方法は、立体障害を利用する動力学的安定化である。これによりケイ素、ゲルマニウムなど類金属、リンなどのヘテロ元素を含む多重結合の安定化を検討した。これまでの2、4、6ートリーtーブチルフェニル基にかわりシリル基を適当に導入することで目的を達成した。一方、酵素系に匹敵する高次制御を目指して多点制御の金属錯体による反応制御を研究した。さらに遷移金属と有機典型金属化合物の新しい組合せによる複合系触媒反応をその素反応に注目して解析した。種々の遷移金属と配位子との組合せを利用して、基本反応を制御し高選択的有機合成反応を開発する。有機反応解析には多様な対象、多様な方法論があるが、これを複雑な分野に適用することで有機反応解析の階層的進歩が期待できる。有機金属複合系は、それ自体材料化学的に重要であるとともに、反応化学的にも多数の有機合成試薬を提供しているなど極めて重要な分野である。その具体的な有用性に比べ、本質的な反応解析はまだ緒についたばかりでよく理解されていない点も多い。この問題にかなりメスを入れることに成功した。
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