研究課題/領域番号 |
01649003
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大野 雅二 東京大学, 薬学部, 教授 (00111550)
|
研究分担者 |
杉浦 幸雄 京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
植木 正彬 東京理科大学, 理学部, 教授 (30084304)
大沢 利昭 東京大学, 薬学部, 教授 (40012603)
板井 昭子 東京大学, 薬学部, 助手 (60012647)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
1989年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
|
キーワード | ブレオマイシン / 酸素活性化 / DNA切断 / エスペラミシン / T細胞 / シアロシルグリセロリピド / ジメチルホスフィニル基 / コレシストキニン |
研究概要 |
ブレオマイシンをはじめとするDNA切断分子につき、本研究班独自の方法論に立脚し研究を行なった。複雑なブレオマイシンの分子を合成するために開拓した合成法を用い、各種のモデル化合物を合成した。特にピリジン核にジメチルアミノ基を導入するという分子設計により、天然のブレオマイシンを越える酸素活性化を達成した。さらに金属結合部位のモデルにディスタマイシンを連結した新しい人工ブレオマイシンを合成し、天然のブレオマイシンとは異なるアデニン、チミンに特異的なDNA切断を実現することができた。人工ブレオマイシンがDNAの狭い溝に結合し活性酸素がデオキシリボース部位の近くにくることがコンピューターを用いた計算により示された。またエンージイン構造を持つ抗生物質エスペラミシンの研究を行ない、エスペラミシンはDNAの狭し溝に結合し、塩基配列特異的にDNAを切断することを示した。 免疫の低分子有機化学に関する研究も独自の方法論に立脚している。すなわちサプレッサーT細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞などの細胞表面複合糖質の特徴を調べ、これらT細胞サブセットのレクチンを用いた濃縮法を確立した。また生体内で癌細胞に強い細胞障害性を発揮するキラー細胞の分離濃縮法を確立した。さらにT細胞活性化機構、特に細胞膜ホスホリパーゼ類の役割の詳細を明らかにし、シアロシルグリセロリピド誘導体が阻害剤として有望であることを明らかにした。 有機リン酸基含有ペプチドの研究は、ジメチルホスフィニル化されたヒドロキシアミノ酸を含む短鎖ペプチドはきわめて高い親水性を持つという独自の知見に基づくものである。この疎水性ー親水性変換法を用いコレシストキニンの活性発現に必須な硫酸エステルをジメチルホスフィニル基で置き換えることにより、末梢投与で中枢に作用することのできる薬物の開発への道を開いた。
|