研究課題/領域番号 |
01649513
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村上 幸人 九州大学, 工学部, 教授 (30037717)
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研究分担者 |
横野 照尚 九州大学, 工学部, 助手 (10203887)
久枝 良雄 九州大学, 工学部, 助教授 (70150498)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ビタミンB_<12> / 人工酵素 / 軸性キラリティ / タコ型シクロファン / 異性化反応 / 環拡大反応 / 合成脂質 / 二分子膜 |
研究概要 |
1.ビタミンB_<12>人工酵素系において不斉選択的反応を効率良く進行させることを目的として、側鎖またはC-10位に軸性キラリティ-をもつビナフチル誘導体を導入したものを合成した。ビナフチル基を有する疎水性ビタミンB_<12>の同定は、核磁気共鳴、円偏光二色性、電子スペクトルおよび元素分析により行った。 2.上記の疎水性ビタミンB_<12>誘導体の不斉認識能を評価するため、アルキル化反応を行った。疎水性ビタミンB_<12>を水素化ホウ素ナトリウムによりCo(I)状態に還元し、エステル基をもつハロゲン化アルキルとの反応によりアルキル錯体を合成した。生成したアルキル錯体の立体配置は核磁気共鳴法により決定した。基質のエステル基を変化させることにより疎水性ビタミンB_<12>の不斉選択性は大きく変化した。嵩高いベンジルエステル基をもつ基質との反応で生成したアルキル錯体は、65%deという高い光学純度を示した。しかし、この選択性は立体的嵩高さのみが影響しており、R体,S体を認識させる為には多点認識するように疎水性ビタミンB_<12>を修飾する必要があると考えられる。 3.人工脂質としてアミノ酸残基をもち、その近傍位に軸性キラリティ素子としてビナフチル基を導入した化合物を合成した。この人工脂質は水溶液中で二分子膜構造をもつ会合体を形成することを電子顕微鏡観察により明らかにした。 4.疎水性ビタミンB_<12>と「タコ」型シクロファンとの組み合わせによりビタミンB_<12>人工酵素系を構成した。この触媒系において、三塩化バナジウムと空中酸素によるラジカル発生系を助触媒として組み合わせ、アシル基転位に基づく環拡大反応を行った。本触媒系において5員環ジケトンから6員環ジケトン、窒素原子を含む5員環ケトンから6員環ケトンへの変換反応が触媒的に進行することを見出した。
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