研究課題/領域番号 |
01650005
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岩見 基弘 岡山大学, 理学部, 教授 (80029123)
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研究分担者 |
谷口 雅樹 広島大学, 理学部, 助教授 (10126120)
日下 征彦 岡山大学, 理学部, 助教授 (60032827)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 金属シリサイド / 電子状態 / シリサイド / シリコン界面 / 電子分光 / 光電子分光 / 軟X線分光 |
研究概要 |
筆者らはこれまでに金属-半導体の系に於て界面合金化が起こる現象は金属原子の初期吸着段階での吸着金属原子と基板半導体との間の化学結合の性質に左右される可能性を示唆する結果を得、この現象の機構の解明には温度をパラメータとした測定が必要不可欠であることを明らかにしている。 本研究では、上記のような現象解明の視点に立って、電子状態と構造の変化を(光)電子分光法等により温度と被覆率をパラメーターとして調べ、金属-半導体界面での界面合金化機構を明らかにし、それらの情報をもとに、界面反応の抑制と制御の条件を明らかにすることを目的としている。 本年度は申請の設備備品費を用いて試料冷却装置を作製した。それを用いて清浄Si(III)表面へのMn原子吸着過程をオージェ電子分光法(AES)、電子エネルギー損失分光法(EELS)、および、低速電子回折(LEED)により調べ、合金化が初期には化学結合モデルに従い、その後スクリーニングモデルに従うという新しい形で進むことを示す結果を得た。また、光(軟X線)分光法によるNi(またはCo)シリサイド-Si(III)接合の表面(層)・界面の電子状態および原子構造の研究を行った。Si L_<2,3>軟X線スペクトルにはNi-シリサイドの場合フェルミ準位(E_f)付近に鋭いピークが観測され、これはSiのS電子状態に対応するものと結論された。これは従来広く認められてきた解釈に変更を迫る新しい知見である。Co-シリサイドではE_F付近の信号はNi-シリサイドほど顕著ではないが、やはりE_F付近にSi s電子状態の存在を示す新しい結果を得た。また、Si L_<2,3>スペクトルがシリサイドとシリコンとで異なることを用いて軟X線分光法によるシリサイド/シリコン接合界面の非破壊分析が可能であることを示した。
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