研究課題/領域番号 |
01650516
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
石田 誠 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30126924)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Al-Si界面形成・評価 / エキシマレ-ザ励起堆積 / 超高真空中堆積・×PS分析 |
研究概要 |
本年度はA1堆積のソ-スガスであるトリメチルアルミニウム[TMA:Al_2(CH_3)_6]とSiO_x/Si(100)表面との反応過程に焦点を絞り、XPS(X線光電子分光法)を用いた研究を行った。 まず、SiO_x/Si(100)表面上へのTMAガス室温吸着実験をおこなった。この時の吸着した膜をXPS分析したところ、膜厚は約6〜7Åで飽和し、膜中のAlとCの組成比は1:3となった。この結果は気相において二量体で存在するTMAガスがSiO_x/Si表面上に1分子層だけ吸着したことを示している。この時のO(ls)XPSスペクトルの化学シフトを調べた。この結果、吸着した膜厚に対し酸素(ls)のピ-ク位置が高エネルギ-側に化学シフトしていく。これは、シリコンと結合していた酸素原子が、シリコンよりも低い電気陰性度を持った元素(たぶんTMA分子のAl原子と思われる)と結合して行くことに対応していると考えられる。 このTMA分子をソ-スガスとして、SiO_x/Si表面上へ成長温度を変化させ(成長時間1分)、Alを成長させた。TMA圧力は1×10^<-4>[Pa]である。この時のAl(2p)のXPSスペクトルから求めた結合エネルギ-の変化を調べたところ、一般的に言われている、TMAを用いたAlの成長温度である350℃程度から、そのピ-ク位置が変化し始める。これはTMA分子が分解し始めていることを示す。また、基板温度の上昇に伴い、Al(2p)のピ-ク位置は、バルクAl(メタルAl)のピ-ク位置に近づいていく。この結果から、Alの成長のためには、350℃以上の成長温度が必要なことがわかる。しかし成長したAl膜中には、炭素原子も多くの割合存在しており、エキシマレ-ザを使用した実験が進行中である。 来年度中に、このXPS分析の結果と、質量分析計を用いた各反応過程(薄い酸化膜、Al膜の形成過程)のガス分子種の変化との比較を行い、エキシマレ-ザの効果も含めて、考察する予定である。
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