研究課題/領域番号 |
01650519
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大山 忠司 大阪大学, 教養部, 教授 (40029715)
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研究分担者 |
大塚 頴三 大阪大学, 教養部, 教授 (60029593)
藤井 研一 大阪大学, 教養部, 助手 (10189988)
中田 博保 大阪大学, 教養部, 助教授 (60116069)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 光検知サイクロトロン共鳴 / フォトルミネッセンス / 励起子 / 束縛励起子 / 衝突イオン化 / 界面 |
研究概要 |
今年度は先ず、マイクロ波サイクロトロン共鳴装置(35GHz)とフォトルミネッセンス測定装置をジョイントさせた高感度の光検知サイクロトロン共鳴(ODCR)装置の完成を目指した。 特に、工夫、苦労した点は、光学デユワ-と異なり液体ヘリウム中のマイクロ波導波管内におかれた試料をいかに効率よく励起し、またそこから吐き出される光を再び集めて効率よく分光器に導くかということであった。いろいろ試した結果、光の入出口を二分岐にし、試料側は同心円に整形した光ファイバ-が現時点では最良であった。 次に、基本的な半導体であるゲルマニウムとシリコンを対象としたODCR信号の基本デ-タを集めることに努めた。得られた一つの例として、III族のBを含むシリコンの結果について示す。4.2Kにおける通常のフォトルミネッセンス・スペクトルでは、自由励起子(FE)からの発光以外にその低エネルギ-域にBE1,BE2,BE3・・・が観測される。これらの信号はそれぞれ不純物のBに励起子が1個束縛されたもの、2個束縛されたもの、3個束縛されたものからの発光である。 次に、周辺の伝導電子をサイクロトロン共鳴条件にした状態でマイクロ波をON-Offさせ、いわゆるマイクロ波変調技法で求めたODCR信号には、電子のサイクロトロン共鳴の結果、フォトルミネッセンス信号に顕著な増減が見られた。FEとBE1は増加しBE2とBE3は減少することが判明した。このことから、サイクロトロン共鳴している電子は励起子を沢山束縛している不純物と強く相互作用をして、周りの励起子を次々と剥ぎ取っていき、その結果として、BE1やFEが増加するという過程が明らかになった。次年度以降はこの辺のカイネチックスを明確にするとともに、界面を含む試料へと実験を拡張していく心算である。
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