研究概要 |
超精密加工面の表面形状(特に表面粗さ)の計測は,X線光学素子の加工方法,加工条件の良否を判定する上で極めてである。近年,X線結像光学に於て必要とされる曲面に対する精度の要求はますますきびしくなり,併せて,加工技術のめざましい発展により,表面形状や粗さの計測精度に対する要求もきびしくなってきている。ナノメ-トルから最近ではオングストロ-ム領域の精度が必要とされる様になってきた。 本研究では,光学的手段により非接触でしかも三次元的にオングストロ-ム程度の精度を持った曲面形状及び表面粗さの計測法の開発を行う。本方法は,従来の表面粗さ計の大部分が点計測法であったのに対して,二次元の面的形状及び表面粗さを一度に測定できる。開発される装置を用いて,様々な表面粗さの指標の計算,従来の一次元的な表面さとの対応,二次元的な表面粗さと加工法の対応なども研究する。 具体的には,(1)微分干渉顕微鏡を改良して,小型の位相変調型微分干渉顕微鏡を試作した。(2)干渉縞画像をテレビカメラで撮影し,それをディジタル化しコンピュ-タに入力するため,フレイムメモリとコンピュ-タとを接続した。(3)上記位相変調型微分干渉顕微鏡で得られた何枚かの干渉縞画像をコンピュ-タにとりこみ,フ-リエ変換の手法をもとに,二次元表面粗さ分布を計算するソフトウェアを開発した。 本年度は一応の測定結果を得たが,来年度以降,測定の精度を上げ,なた自動位相変調の機構を完成させたい。
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