研究課題/領域番号 |
01653503
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (40202337)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1989年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ヒト免疫ウイルス / サル免疫不全ウイルス / HIV / SIV / vpr 遺伝子 / 感染性クロ-ン |
研究概要 |
1)これまでに報告されているHIV-1の塩基配列を解析し、vpr遺伝子内でよく保存されている領域をいくつか選び、アミノ酸合成機により合成したものを、モルモットに免疫したところ、N末の14アミノ酸を合成したもので良好な抗体が得られた。 2)HIV-1の感染性DNAクロ-ンよりvpr遺伝子を切り出し、大腸菌での発現ベクタ-に組込んだ。1)で作成した抗体により12KDのvpr蛋白が大腸菌で発現されていることが確認された。 3)Vpr遺伝子を動物細胞での発現ベクタ-に組込み、動物細胞にトランスフェクトしたところ、ウエスタンブロット法により、12KDのvpr蛋白の発現が確認された。vprに発現細胞を各分画に分けて、解析したところvpr蛋白は、細胞膜分画に局在する傾向が認められた。また、HIV-1を感受性細胞株に感染させ、vpr蛋白の発現を調べたところ、ウイルスによるCPE(細胞変性効果)が最も強く認められる時期に一致して、vpr蛋白が検出され、やはり、細胞膜分画に局在する傾向が認められた。 4)HIV-2の全塩基配列を決定し、その情報をもとに、感染性DNAクロ-ニおよびそのvpr遺伝子変異株を作成した。HIV-2のvpr遺伝子変異株の増殖性および細胞障害性は、野生株のそれとほとんど区別がつかなかった。 5)野生のマンドリルから分離したHIV様ウイルス(SIV_<MND>)の全塩基配列を決定し、解析を行なったところ、SIVHI_<MND>にはvpr遺伝子が存在することが確認された。 以上の結果から、HIV-1のvpr遺伝子産物の発現と局在がはじめ2同定され、その発現がPEに関連する可能性が示唆された。HIV-2やSIV_<MND>のvprについては今後検討されるべき課題である。
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