研究課題/領域番号 |
01653504
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
保田 立二 岡山大学, 医学部, 教授 (30092357)
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研究分担者 |
速水 正憲 京都大学, ウイルス研, 教授 (40072946)
渡来 仁 岡山大学, 医学部, 助手 (50175139)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | エイズ / リポソ-ム / ヒト免疫不全ウイルス / 抗ヒト免疫不全ウイルス作用 / ウシ免疫不全ウイルス / スルファチド / 硫酸コレステロ-ル |
研究概要 |
ウシ免疫不全ウイルス(BIV)は、遺伝学的、形態的あるいは抗原的にヒト免疫不全ウイルス(HIV)に似ると報告されている。ここではBIVを用いて治療薬としてのリポソ-ム応用の可能性を検討した。硫酸化ムコ多糖体の抗HIV作用の研究から、硫酸基がHIV増殖抑制の活性をもつことが判明している。リポソ-ム応用の第一歩として硫酸基を持つ脂質でリポソ-ムを作製してその抗HIV作用を検討した。 硫酸基をもつ脂質としては中枢神経系の糖脂質であるスルファチドと、生体内微量成分として知られている硫酸コレステロ-ルを用いた。硫酸基を表面に露出したリポソ-ムは、卵黄レシチン(1.5umols)、コレステロ-ル(1.5umols)、ホスファチジン酸(0.15umols)、硫酸化脂質(150ug)より作製した。このリポソ-ムのBIV感染細胞に対する作用は、BIV感染細胞と非感染細胞の混合培養により形成されるシンシチウムがどの程度阻止されるかを調べることにより検討した。 その結果、BIVによるシンシチウム形成は、混合培養後1日目より3日目において、硫酸化脂質(30ug/ml)組み込みリポソ-ムにより顕著に抑制されたが、組み込まないリポソ-ムでは、シンシチウム形成は抑制されなかった。また、ツニカマイシンで前処理したBIV感染細胞を用いた場合においても、混合培養後1日目より3日目において、スルファチド(30ug/ml)組み込みリポソ-ムによりシンシチウム形成が顕著に抑制された。このことから、硫酸化脂質組み込みリポソ-ムはシンシチウム形成のメカニズムのうち、fusion from withoutよりもfusion from withinに対して作用することが示唆された。 今後はこの機構の解析とともにリポソ-ム内に抗HIV作用をもつ薬剤をいれミサイル化したものの効果を調べる計画である。
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