研究課題/領域番号 |
01653507
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高津 聖志 熊本大学, 医学部, 教授 (10107055)
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研究分担者 |
箕田 誠司 熊本大学, 医学部, 特別研究員 (10212234)
山口 直人 熊本大学, 医学部, 助手 (00166620)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | LP-BM5 Mulv / レトロウィルス / マウス免疫不全症候群 / IgA産生の亢進 / サイトカイン / IL-5 / IL-5レセプタ- |
研究概要 |
C57BL6マウスにLP-BM5マウス白血病ウィルス(MULV)を感染させると、非腫瘍性リンパ球増多症が誘発される。マウスはリンパ節腫脹、脾腫を伴う免疫不全によりウィルス感染後16〜26週で死亡する。この症候群の進行は多くの点においてヒトエイズと非常に類似していることから、MAIDSと呼ばれているが、ウィルス感染後の免疫不全誘発に至る過程では不明の点が多い。本研究ではウィルス感染からMAIDS発症に至るまでの免疫応答能を、B細胞及びT細胞レベルで検索する。本年度は5週令C57BL16マウスをLP-BM5MULVで感染させ経時的に(感染後1.3.5.7週目)マウスを屠殺し、各臓器の重量、リンパ球数、T細胞・B細胞亜集団の比率、血中Ig値を調べるとともに、T細胞やB細胞のマイト-ゲンやサイトカイン(IL-5など)に対する応答性を試験管内で検索し以下の結果を得た。 (1)ウィルス感染後3週目よりリンパ節の腫脹が目立ちはじめ、5週目において脾細胞、リンパ球数は対照群の10倍迄増加した。(2)脾細胞においてT細胞とB細胞の割合に変化はなかった。T細胞亜集団ではT8/T4比が増加していた。B細胞上のIgMの発現が低下し、IgDの発現が増強していた。(3)血中IgM値はウィルス感染一週目より上昇し3〜5週目に最大となり、以後少しづつ減少した。これに反し血中IgA値は感染後5週目以降増大し、高値を保っていた。(4)T細胞のConAに対するDNA合成能はウィルス感染後1週目より低下し、3週目以降その低下は顕著であった。B細胞のリポ多糖体に対する応答性もウィルス感染後一週目より低下し、以後経時的に低下が強くなる傾向にあった。これに反しIL-5に応答し、DNA合成能を調べると、感染後約一週目で急激に応答性の亢進がみられ3週目以降は著明に抑制された。試験管内でのB細胞の応答性を調べたところ感染3週目以降はIgAを除き、すべてのIg産生が抑制されており免疫不全に陥っていることが明らかになった。
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