研究課題/領域番号 |
01654515
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
水野 文夫 帝京大学, 薬学部, 教授 (50011490)
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研究分担者 |
斎藤 美和子 帝京大学, 薬学部, 助手 (10112765)
種村 茂二 帝京大学, 薬学部, 講師 (40112768)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1989年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 皮膚 / 羽毛 / うろこ / 形態形成 / 分化 / ケラチン / 真皮 / 誘導因子 |
研究概要 |
ニワトリ胚皮膚は背側に羽毛を、脚部に鱗を形成する。この機構を追求すべく、本研究では羊膜外胚葉を反応系として用い、ニワトリ胚背側および脚の真皮と結合することにより、部域特異的な形態形成および細胞分化が誘導されるかを検証し、各真皮に特異的な物質を探索した。 1.羊膜外胚葉における羽毛および鱗の誘導:6・8日胚羊膜外胚葉は背側真皮の影響により典型的羽毛フィラメントを、また、脚部真皮の影響下に典型的な鱗を形成する。ニワトリ・ウズラキメラでも結果は同じ。 2.用いたモノクロン抗体の特性:4E12抗体は分化した羽毛フィラメントの羽毛βケラチンと、1F3抗体は羽毛の角質鞘の羽毛βケラチンと反応する。鱗は両抗体に対してほとんど陰性である。 3.誘導された羽毛および鱗のケラチン:羊膜外胚葉から誘導された羽毛フィラメントおよび鱗のケラチンは、4E12抗体および1F3抗体に対し、正常の羽毛および鱗のものと全く同じに反応した。これらの結果は羊膜外胚葉より生じた羽毛および鱗が正常な形態と分化をとげていることを示している。(蛍光抗体法・イムノブロット法による)。 4.胚背側真皮と脚真皮のポリペプチド成分:誘導力が最もさかんな時期の背側真皮と脚真皮の粗抽出液をHPLCで分画し、各ピ-クを濃縮してSDS-PAGEにかけたところ、部域特異的なポリペプチドバンドをそれぞれ数個検出することができた。このポリペプチドはそれぞれ部域特異的な誘導物質として働く可能性がある。 5.胚背側真皮のグリセリンモデル:4項で得られた真皮の成分が誘導因子か否かを検証すべく、真皮グリセリンモデルに表皮を再結合したものに、真皮粗抽出液を与えたところ、羽毛は形成されなかったが、4E12陽性ケラチンをもつ表皮細胞を得た。今後はさらにクリセリンモデルの特性、粗抽出液中の有効成分などの解明に向けて全理をあげたい。
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